こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
本記事は「旬の魚」をご紹介する「旬魚の世界シリーズ」です。
当シリーズでは、旬の魚の魅力を鮨ブロガーならではな目線で解説していきます。
今回は「イクラ」についてご紹介します。
すしログ
楽しんで頂ければ幸いです。
★全国6,000軒以上を食べ歩く食好き
☆鮨の食べ歩きは15年以上のキャリア
★「すしログ」のTwitterでは幅広い情報を、インスタは鮨・魚介料理に絞ってます
☆「すしログ鮨会」やブログに書けない情報は、すしログの公式LINEにて
★noteに、鮨に詳しくなれる「鮨カレンダー」を連載しています
▼シリーズのまとめ記事はこちらです
イクラの基本情報と旬は?
標準和名:イクラ、スジコ(筋子)
英語名:salmon roe ※ちなみに「イクラ」はロシア語(Ikra)で「魚卵」の意味です
旬:9月~10月
イクラについてのすしログ的コメント
「えっ!イクラに旬なんてあるの!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あるんです!
回転寿司のみならず海鮮丼などでも年がら年中使われているので、実は限られた時期にしか獲れない事をご存知でない方は多いのではないでしょうか?
しかし、実はきっちり旬があり、しかも2ヶ月程度と短いのが、イクラ(筋子)となります。
今は冷凍技術が格段に進歩しておりますので、確かに、旬の筋子を大量にイクラにして旬以外は冷凍品でまかなう事は可能です。
「冷凍」と聞くとネガティヴなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、今の技術で瞬間冷凍すれば細胞を破壊する事無く、美味しいイクラを頂けるようですす(解凍技術も必要ですが)。
かのすきやばし次郎でも、冷凍したイクラを使用しているくらいなので。
小野二郎さんは旬の時期に1年分を漬け込み、マイナス50℃で冷凍するとか。
それについては「旬以外に食べさせるのは如何なものか」と言う意見もあるようですが、冷凍しても味が劣化しない事を示すエピソードかと思います。
なお、昔は11月にならないと美味しいイクラは頂けなかったそうですが、今やどんどん早くなり、8月中旬には登場し、10月下旬には皮(膜)が厚くなり始めます。
川に戻る前の「沖獲れ」のイクラ(筋子)こそが、シャリと合う、鮨の為のイクラでしょう。
イクラの鮨における仕事(調理法)
イクラの鮨における仕事(調理法)は以下の通りです。
- ばらし
- 漬け
筋子は鮭の卵巣となり、卵の粒にばらしたものがイクラ。
ばらす際にお湯を使う方法やネットを使う方法など、幾つかの方法が存在します。
100℃まで上げたお湯を冷まし、ばらす方法が一般的かと思いますが、何度でばらすかは職人さん次第。
40℃に始まり、なんと90℃以上でばらす職人さんもいます。
お湯でばらすと当然ながら白っぽく変色しますが、冷ましたり冷えた液体に漬けたりすると色が蘇ります。
あるいは、お湯を用いず、全て手でほぐす職人さんも最近は増えているように感じます。
そして、その液体については塩水や醤油+煮切った日本酒が一般的で、他に出汁醤油など、シャリに合わせて調味された液体を用いる事も多いです。
イクラ本来の味わい損なわないために、真水にさらす時間を限りなく短くする事が美味しく食べる為の秘訣です。
(浸透圧によりイクラの旨味が逃げてしまうので)
食べる時はここに注目!
鮨でイクラを食べる時に注目するポイントはこちら!
- 食感
- イクラの風味
- 調味液の味つけ
イクラの食感はプチプチ感、とろとろ感、ねっちり感…でしょうか。
擬音で表現すると非常に主観的な感じになりますが、主にこれら3つに構成されているように感じます。
皮(膜)が瞬時に弾けサッパリと流れゆくイクラもあれば、力強く弾けた後に濃厚に舌にまとわりつくイクラもあります。
どのようなイクラが好きかは好み次第でしょう。
ただ、皮(膜)が硬すぎると興醒めであるのは言うまでもありません。
そして、イクラの楽しみはそれ自体の風味と調味のバランス。
旬の生のイクラを用いる場合、薄味に仕上げるのが定石です。
イクラの「卵らしい」味わいをサポートするような塩梅で、塩分や旨味が付加されていると、イクラの印象が強まります。
調味の面では、醤油の味が強すぎるイクラはアウトでしょう。
天然の濃厚な味わいを活かす為のバランス感覚が大切です。
【プライドフィッシュ登録県】(カッコ内は旬)
岩手県(9〜1月)、山形県(10〜12月)※いくらを含む秋鮭
掲載した写真のお店
▼シリーズのまとめ記事はこちらです
鮨と魚をこよなく愛する、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)でした。
本記事のリンクには広告がふくまれています。