こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
本記事は「旬の魚」をご紹介する「旬魚の世界シリーズ」です。
当シリーズでは、旬の魚の魅力を鮨ブロガーならではな目線で解説していきます。
今回は「キス(鱚)」についてご紹介します。
すしログ
楽しんで頂ければ幸いです。
▼シリーズのまとめ記事はこちらです
鱚の基本情報
標準和名:シロギス(白鱚)
通称・別称:キス(鱚)
英語名:Whiting, Japanese silver whiting, Sand borer, Sillago
旬:6月~8月 ※8月〜9月に産卵期へ入る
鱚についてのすしログ的コメント
釣りでも根強い人気を誇るキス。
陸っぱりで投げて釣るキス釣りは面白いですよね。
「キス料理」として老若男女誰しもが先ず思い浮かべるのは、天麩羅ではないでしょうか?
しかし、キスを昆布で上品に〆ると酢飯との相性が抜群に高まり、鮨も中々どうして負けてはいません。
ホロッと柔らかな身、軽やかな旨味、上品な香りは、初夏から暑くなってきた頃の夏に清涼感を感じさせてくれる儚げな味わいですね。
脂質が少なく上品な味わいが持ち味であり、旬の鮪のトロが脂質40%程であるのに対して、鱚はわずか1%程度です。
30cmを超えるキスは釣り人から「尺ギス」と呼ばれますが、鮨の食材として見ると20cmオーバーから大型なのではないかと思います。
ちなみに、20cm以上になるのに、大体3年かかると言われております。
それよりも大きい4〜5歳のものが鮨種としてはピンかと思います。
鮨における仕事(調理法)
・昆布〆
塩と酢だけで〆る方法もあるかと思いますが、更に昆布で軽く〆るのが個人的には好みです。塩だけで脱水すると少々味気なく感じ、シャリとの一体感を高める為には昆布が良い役割を担うかと思います。
そして、鱚は皮目に独特のクセのある香りもあるので、昆布の香りによってそれが緩衝されます。いずれにせよ身が柔らかいので、脱水する事は必須で、あとは旨味と香りをどう演出するかが重要な気がします。
食べる時はここに注目!
・身の柔らかさ
・昆布の旨味や風味の浸透具合
昔ながらの仕事だとバッチリ〆て、身を引き締め、昆布の旨味を強く浸透させますが、キス本来の魚味を楽しむためには〆加減の塩梅は大切だと思います。個人的には、ふんわりした食感を残し、昆布の風味を浸透させすぎず、旨味も過剰に付加していないキスが好きです。
また、薬味やオボロを合わせるケースもありますが、過剰に用いすぎるとキスの繊細さを傷つけてしまいます(炙りも同様)。適度に使えば、鱚の香りの輪郭をハッキリさせます。天麩羅で頂くと、手練の職人のそれは「淡雪」のような印象を覚えます。鮨でも軽やかさと上品さのある仕事がベストかと感じます。掲載した写真のお店
・すし弥助(愛知県) ※上記與兵衛さんご出身!
・青空(東京都) ※こちらは前述の文章とは裏腹な仕事ですが、シャリとの相性が抜群で驚いた一貫です
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