紀州和歌山の郷土寿司【鯖のナレズシ】。
ナレズシは鮒鮓から派生した古い鮓であり、中でも「生成れ(ナマナレ)」は漬ける期間が短いナレズシとなります。
僕はかつて和歌山市内にある老舗・弥助寿司さんにて頂き、強烈な個性を宿す味わいに圧倒されました。
しかし、時が経ち長らくナレズシを頂かない間に、「また食べてみたいな…」と言う欲求が芽生えてきました。
そこで、今回、和歌山にてナレズシのお店をリサーチし、ディープそうなお店を見つけてお伺いした次第です。
こちらはスーパーを経営されており、ビジネスとしてはそちらがメインのようです。
流石にナレズシ一本でやるには時代が厳しいですよね…
和歌山にはあるにはあるようですが、リスクヘッジを行われた方がマニアックな郷土料理は残るのだろうと感じました。
当初お店には朝に伺おうと思っており、訪問予定日の前日にお電話したのですが、なんと漬けたばかりとの事で入手できない状況でした。
ただ、四日後であれば大丈夫と伺い、ホッと一安心。
お店に伺える時間は夕方の遅い時間になりそうでしたので、お取り置きをお願いして訪問しました。
基本的に予約ベースで漬けられるそうなので、余裕を持ってお電話するのが必須だと感じました。
なれずし
弥助寿司さんよりも臭いと酸味が強烈に感じました。
暑い日に東京まで持ち帰った事で発酵が一気に進んだのかもしれません(笑)
米の部分に鋭い酸味があり、ぐにゅっとした食感になっているのも生成れの特徴。
いやはや、これは凄い酸味です!!
お米の乳酸発酵により鯖も酸味が高まり、旨味が凝縮されております。
それでいて、漬けられてからの日は短いので、鯖の香りは残っておりました。
また、食感もある程度残っております。
とは言え、サラリ、ほろっとほどける繊維質は押し寿司や握り鮨のために〆る仕事とは全く異なる食感です。
数日間漬けただけとは言え、その後の発酵の速度が非常に速く、アセ(暖竹)の葉の匂いもしっかりと付いておりました。
常温の日本酒無くしては完食できない鮓…改めてマニアックな郷土寿司だと感じました。
個人的に食べ物の「臭い」ランキングとしては、ナレズシ>>くさや>臭豆腐>鮒鮓(一般的なもの)>タレッジョ、モンドール、ラクレット等のウォッシュタイプのチーズ>納豆>鮒鮓(上質なもの)>魚醤だと感じます(笑)
どうやらフランスでも最近はウォッシュタイプのチーズが苦手と言う人が増えているそうですが、伝統的な発酵食品は「臭い」はさて置き、残り続けて欲しいと感じます。
万人に受ける事は決してなく、一部のマニアのみの嗜好品とは言え、他の食品・料理では得られない強烈な味わいがあるものなので…
店名:なれずしの和広(なれずしのわこう)
予算の目安:価格は失念してしまいましたが、約1,100円でした
最寄駅:紀伊宮原駅から3,600m
TEL:0737-83-0590
住所:和歌山県有田市千田560-3
営業時間:8:00~20:00
定休日:日曜
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