こんにちは、鮨と酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。
本シリーズでは前回「山形県」編をお届けしました。
さて、いきなりですが、酒クイズ!
- 山形県の日本酒業界での通り名は?
- 「DEWA33」ブランドは何の酒米、麹菌、酵母を使用した純米吟醸酒?
- 「幻の酒米」と呼ばれる「亀の翁」を発見した人物は?
わからない…と言う人は、「山形県」編をご参照ください。
本シリーズは、都道府県ごとの日本酒の特徴を知りたい方にオススメです!
また、すしログらしく、食の情報も盛り込んでいます。
今回は福島県の日本酒造りについて解説します!
本記事は、最新情報を得るたびに追記して、より良い内容を目指します!
福島県の概要
- 日本酒生産ランキング:全国7位
- 酒蔵(清酒免許場)の数:70蔵(全国5位)
- 特定名称酒の比率:60%(全国28位)
- 酒造好適米生産ランキング:全国11位
- トップ3の酒米:夢の香、五百万石、美山錦、華吹雪
- 代表的なオリジナル酵母:うつくしま夢酵母
- 有名な銘柄:写楽、飛露喜、会津中将
- 全体的な特徴:淡麗甘口
全都道府県の概要についての記事はこちら!
※本記事の情報は『SAKE DIPLOMA教本〔Second Edition 2020年3月〕』に基づきます
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福島県の日本酒造りの特徴
福島県は、全国新酒鑑評会での金賞受賞数が突出している県です。
なんと、2012年から2017年まで6年連続1位と言う快挙を成し遂げています(記事執筆時点2022年で9年連続を更新)。
伝統的に作られてきた会津エリアだけでなく、中通り、浜通りの酒蔵の酒質も高く評価されています。
さらに、若手の蔵の躍進も著しく、日本酒人気を牽引する県となっています。
オリジナルの酒米としては「夢の香」が有名です。
広島の「八反錦1号」と山形の「出羽燦々」を掛け合わせた品種です。
大粒、心白発現率が高く、吸水性が良く、醪で溶けやすい軟質米です。
そして、県オリジナル酵母としても「うつくしま夢酵母」があります。
「夢の香」と「うつくしま夢酵母」を用いて、「夢の米・夢の酒」とブランディングしています。
また、福島県会津は、「山廃仕込み」発祥の地です。
比較的、クリアー感がある澄んだ甘口のお酒が多いとされる県ですが、骨太な山廃仕込みの純米酒もあります。
福島県の生産量と酒質について
福島県の日本酒生産数量は9,867キロリットルで、全国7位でした(2017年)。
東北では秋田県に次ぐ2位です。
特定名称の比率は60%とそこそこですが、生産量としては全国8位になります。
酒蔵は会津若松と喜多方に50%ほどが存在し、40%ほどが二本松と郡山などの中通りに、10%ほどが浜通りに存在しています。
ほとんどの酒蔵が内陸に位置しています。
酒蔵の数に対して酒米は不足しているため、多くを県外から手配する「酒米移入依存タイプ」の県となります。
福島県の日本酒造りの歴史
福島県での酒造りは、16世紀に会津で始まりました。
戦国大名の蒲生氏郷公が、近江から杜氏を招聘したのが始まりです。
- 山口合名(会州一):1643年
- 会津酒造:1695年
- 佐藤酒造店:1710年
- 仁井田本家:1711年
- 冨沢酒造店:1716年
- 奥の松酒造:1716年
- 開當男山酒造:1716年
- 小原酒造:1717年
- 花春酒造:1718年
- 太平桜酒造:1725年
- 若清水酒造:1751年
- 大七酒造:1752年
- 白井酒造店:1765年
- 笹の川酒造:1765年
- 有賀醸造:1774年
- 大和川酒造店:1790年
- 鶴乃江酒造:1794年
会津松平家の治世になると、藩営で酒造りを開始。
財政を立て直し、民営の酒蔵も増えて、明治期以降に醸造技術を上げていく事になります。
そして、明治後期の1909年に、大蔵省醸造試験場の嘉儀金一郎が「山廃仕込み」を考案。
生酛造りで重労働であった山卸=酛すりを廃止し、山廃は今の時代にも注目を浴びて実用されています。
ご関心のある方は、下記の書籍がオススメです!(歴史好きならアツいはず)
酒造りの歴史があり、進歩し続ける県だからこそ、新酒鑑評会で賞を取り続けているのでしょう。
【酒ディプロマ対策!】200字まとめ
対策を兼ねて、200字以内でまとめてみました。
福島県は酒米「夢の香」と「うつくしま夢酵母」を用いて「夢の米・夢の酒」と言うブランディングを行っている。酒蔵の多くがハイレベルで、全国新酒鑑評会で6年連続金賞受賞数日本一の快挙を成し遂げている。若手の人気酒蔵が日本酒人気を牽引しているが、伝統的に古い酒蔵が多く、福島県の酒造りは会津で始まった。明治後期には嘉儀金一郎が「山廃仕込み」を開発。酒のタイプはクリアーで澄んだ甘口。酒米は「移入依存タイプ」。
200字
福島県の日本酒ランキングとオススメのお酒
「SAKETIME」さんによると、福島県の人気ランキングは以下のとおりです。
- 写楽(寫樂):宮泉銘醸
- 会津宮泉:宮泉銘醸
- 廣戸川:松崎酒造店
- 飛露喜:廣木酒造本店
- 楽器正宗:大木代吉本店
- 天明:曙酒造
- にいだしぜんしゅ:仁井田本家
- ロ万:花泉酒造
- 自然郷:大木代吉本店
- 会津中将:鶴乃江酒造
福島県の郷土料理とオススメの飲食店
福島県の郷土料理で僕のオススメは、以下のとおりです。
- あんこう鍋
- 馬肉料理
- こづゆ
- 田楽
- にしんの山椒漬け
そして、オススメ&これから訪問したい「日本酒が美味しいお店」は、こちらです。
- 鶴我(会津若松市)
- 籠太(会津若松市)
- 満田屋(会津若松市)
- 鰊屋敷 太田(会津若松市)
- 居酒屋しのや(郡山市)
- 会津郷土食 鶴我(郡山市)
- 鮨いとう(いわき市)
- 小判寿司(棚倉町)
旅と日本酒は切っても切り離せない!と実感する、すしログ(@sushilog01)でした。
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