こんにちは、鮨と日本酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。
本記事では、酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)の二次試験・論述試験の対策として、例題32問を連続回答します。
(2024年7月1日に更新しました)
筆者は2022年度にストレート合格することが出来ましたが、最も難しいのはテイスティング&論述試験でした。
特にテイスティングはかなり難しかったので、論述試験対策をしっかりやっておいて良かった…と心から感じました(笑)
テスト時間は短いので、流れるように書くことが重要です!
酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)全体については、下記の記事をご参照ください。
一次試験対策については、こちら。
各県ごとの対策については、こちらのシリーズを。
※本記事の情報は『SAKE DIPLOMA教本〔Second Edition 2020年3月〕』に基づきます。
タップできる目次
- 酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)論述試験対策〜過去問9問〜
- 酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)論述試験対策〜予想問題23問〜
- 「並行複式醗酵について」
- 「三段仕込みについて」
- 「杜氏制度について」
- 「菩提酛について」
- 「スパークリング日本酒について」
- 「熟成古酒について」
- 「原酒について」
- 「アルコール添加酒について」
- 「花酵母について」
- 「雄町について」 ※2022年に当たりました!
- 「山田錦について」
- 「五百万石について」
- 「八反系の酒米について」
- 「青森県の産地の特徴について」
- 「静岡県の産地の特徴について」
- 「兵庫県の産地の特徴について」
- 「広島県の産地の特徴について」
- 「高地県の産地の特徴について」
- 「福岡県の産地の特徴について」
- 「焼酎の減圧蒸留と常圧蒸留について」
- 「甘藷焼酎と料理について」
- 「壱岐焼酎と料理について」
- 「黒糖焼酎について」 ※2022年に半分当たりました!
酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)論述試験対策〜過去問9問〜
それでは、まずは過去問を解いていきます。
確率的には出ないと判断できますが、出た時に悔しいので、僕は解いていた方が良いかと思いまして…
- 2017年「山廃・生酛の現状と将来の展望について、200字以内で説明しなさい」
- 2018年「セルレニン耐性酵母について」
- 2019年「美山錦について」、「村米制度について」
- 2020年「奈良県の産地の特徴について」、「球磨焼酎と相性が良い料理について」
- 2021年「扁平精米について」、「貴醸酒の今後の展望について」、「泡盛と相性が良い料理について」
- 2022年「3のお酒(山廃)と合う料理について」、「雄町について」、「黒糖焼酎と相性が良い料理について」「山廃・生酛の現状と将来の展望について」
- 2023年「GI球磨について」、「近年の清酒において、特定名称を名乗らないことのメリットとデメリット」、「テイスティング試験で供出された2番目の日本酒に合わせて、お勧めする料理と飲み方、その理由」
現状については、速醸が90%を占め、山廃9%、生酛1%となっている。1910年に江田鎌治郎によって速醸が開発されて以来、山廃と生酛は少数派だ。しかし、昨今価値が再評価されており、セルレニン耐性酵母を用いた酒とは異なる味わいとして人気を博している。生酛によるヨーグルト様の香りが受けれられている事も一因だろう。今後、若い造り手で自らの味を表現するため山廃・生酛を選択する杜氏は増えてくると予想される。
199字
「セルレニン耐性酵母について」
セルレニン耐性酵母はリンゴ様の香り「カプロン酸エチル」を大量生産する酵母で、別名「香り酵母」だ。カプロン酸を生成する脂肪酸合成酵素を阻害するセルレニンに耐性がある。吟醸香を強く発生させ、酸度が低いところが特徴だ。代表的な協会酵母としては1801号がある。当初はセルレニン耐性酵母を使用した酒は夏を越せず香味のバランスを崩していたが、低温貯蔵や低温輸送が徹底されることで問題をクリアした。
193字
「美山錦について」
美山錦は1978年に、長野県農事試験場で「たかね錦」にγ線照射して生み出された突然変異種の酒米だ。「たかね錦」は「万石」、「旭」、「亀ノ尾」など歴史ある品種を先祖に持つ。大粒で心白発現率が高いため、高精白が可能だ。「山田錦」、「五百万石」に次ぐ生産量を誇る。耐冷性があるため秋田、山形、福島、宮城などで人気がある。また、山形の「出羽燦々」、福井の「越の雫」、秋田の「秋の精」の親株にもなっている。
200字
「村米制度について」
村米制度は酒造家と農家の直接契約栽培制度である。明治20(1887)年代に「山田錦」の故郷である兵庫県で生まれた。酒造家が好む酒米を生産するため農家は努力を重ね、別の集落との競争の果に地域を拡大し、質を向上させた。テロワールにより集落ごとに取引価格が設定され、格付けも行われてきた。現在は「特A-a地区」と「特A-b地区」に分けられ、前者は吉川町、口吉川町、東条、社の91集落で構成される。
195字
「奈良県の産地の特徴について」
奈良県は「清酒発祥の地」とされ、日本最古の神社・大神神社は酒造りの神である。杉玉は大神神社が発祥。古墳〜奈良時代には宮中の造酒司が設けられた。室町時代には最古の酒母である「菩提酛」が菩提山正暦寺で生み出された。「菩提酛」は麹と掛米の両方に白米を用いる「諸白造り」が特徴。近年、奈良県の蔵元10軒が復元し脚光を浴びている。酒米は他県からの移入タイプだが、愛知発祥の「露葉風」が唯一生産される県だ。
197字
「球磨焼酎と相性が良い料理について」
球磨焼酎は熊本県南部の人吉地方で造られる米焼酎で、麹も主原料も米だ。よって、熊本の郷土料理との相性が良い。例えば猪の炭火焼きや馬刺しだ。フーゼル油由来の香りが強く、熟成させるとナッツ香が強くなるため、木の実や根菜を食べる猪と味覚的に調和する。お湯割や前割の燗酒で温度帯を上げると尚良い。米由来の酒なので、酒粕に漬けた銀鱈の酒粕漬け焼きとも調和する。蒸留酒なので日本酒よりもドライな余韻を与える。
197字
「扁平精米について」
扁平精米は別名「等厚精米」とも呼ばれ、米の表面からどの部分も同じ厚さで削る精米方法だ。米は扁平になる。球形精米や原形精米よりも不要成分を効果的に除去できる。さらに扁平度合を高めた「超扁平精米」を行う蔵もある。デメリットとしては所要時間とコストだ。60%精米に75時間以上かかり、これは原形精米の3倍だ。よって、精米スケジュールや電気代などのコスト計算が必須となる。砕米の発生率が高い点も注意事項。
198字
「貴醸酒の今後の展望について」
貴醸酒は日本酒の付加価値を高めるため国税庁醸造試験所で開発された酒で、留添の汲水の際に水ではなく酒で仕込む製法で、平安時代の延喜式にある「しおり」を再現したものだ。日本酒度−40ほどになるため、デザートワイン的な存在として今後可能性がある。リンゴ酸が多いためサッパリしていて熟成による旨味も強いので、ただ甘いだけでない。貴醸酒でしか合わせられない食べ物も多いはずだ。西洋料理とも合わせられるだろう。
199字
「泡盛と相性が良い料理について」
泡盛は沖縄で造られる蒸留酒で、主原料はタイ米。マツタケ様の香り(1オクテン3オール)を特徴とする。よって、料理は沖縄料理全般、豆腐よう、マース煮、ラフテーなどと合い、個性が強い山羊汁とすら合わせられる。また、タイ米が原料なのでタイ料理とも合い、カオパッとの相性はいわずもがな爽やかさを伴うパッキンガイ等とも好相性。ガイヤーンのようなコクと香ばしさのある料理も泡盛によってふくよかさとキレを与えられる。
200字
3のお酒(山廃)と合う料理について
3のお酒は山廃なので、乳酸の酸味を意識して料理を合わせると良い。魚で言うとマグロの赤身が持つ酸味に同調させる方向性や、アジの叩きやブリなどに酸度、アミノ酸度の高い山廃を合わせる方向性だ。また、軽い熟成がかかりイエローがかった山廃は珍味との相性が抜群で、バチコやカラスミ、鱈子、更には鮒鮓まで合わせる事が可能だ。また、チーズとの相性も良く、特に白カビ系や旨味が強いセミハードと合わせると良い。
195字
雄町について
雄町は1859年に岡山の岸本甚造によって発見された最も歴史のある品種で、山田錦や五百万石の先祖である。発見当時の名は「二本草」であったが、発見地の「雄町」という地名で呼ばれるようになった。晩生品種。背が高く栽培が難しいため1970年代に約3haまで作付けが落ち込んだが、約500haまで回復し現在の生産量は国内4位。94.5%が岡山で生産される。適度な旨味があり、まろみがある酒質で、秋上がりする。
199字
黒糖焼酎と相性が良い料理について
黒糖焼酎は奄美諸島でのみ造られている蒸留酒だ。黒糖のみで蒸留酒を造るとスピリッツとなるため、米麹を用いる。黒糖に由来する甘い香りと酸やココナッツのような香りが特徴だ。それ故に濃口醤油、味醂、砂糖などを用いたタレ味の料理の相性が良く、同時にメイラード反応を起こした焼物とも合わせられ、香りに深みを与えるペアリングが可能だ。また、黒酢酢豚や回鍋肉などの中華料理、コチュジャンを用いた韓国料理とも相性良好。
200字
2023年度については、公式サイトにて初めて模範解答が公開されました。
では、次に予想問題をご紹介します。
酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)論述試験対策〜予想問題23問〜
次に、出てきそうな事項について、予想問題として解いていきます!
「並行複式醗酵について」
「並行複式醗酵」は、日本酒特有の発酵方式である。醪内で蒸米のデンプンが麹の酵素(αアミラーゼとグルコアミラーゼ)によって糖化されるのと同時に、酵母によってブドウ糖が消費されアルコール発酵が行われる。発酵中に蒸米から糖が補充されるため、20%ほどの高アルコールとなる。アルコール発酵の過程では、アルコールの他に炭酸ガスと熱が生じる。ワインは単式発酵、ビールは単行複式発酵である。
188字
「三段仕込みについて」
「三段仕込み」とは、麹、蒸米、仕込み水を3回に分けて、4日間かけて仕込む、日本酒特有の方法である。メリットとしては、酵母を健全に増殖させる事で、日本酒醪は酸が少なくpHが高いにも関わらず、腐造を回避できる点だ。1日目が初添、2日目が踊り、3日目が仲添、4日目を留添と呼ばれる。留添が醪日数の1日目となる。留添えの仕込み温度は醪全体で最低を目標とし、吟醸で6〜7℃、普通酒で7〜10℃と低温。
195字
「杜氏制度について」
醸造の最高責任者で、人格者であることが求められる。古代には酒造りをする女性の役割で、「刀自」と呼ばれた。崇神天皇が任命した高橋活日命が日本最古。男性中心となった際に現行呼称へと変化。現代の杜氏制度は江戸時代初期から続いている。日本三大杜氏は「南部杜氏」、「越後杜氏」、「丹波杜氏」で、最大流派は「南部杜氏」。2000年以降には2006年に「下野杜氏」、2013年に「富山杜氏」が誕生した。
194字
「菩提酛について」
「菩提酛」は酒母造りの製法の一つで、15世紀に奈良県の菩提山正暦寺で確立した。麹米、掛米の両方を精米する諸白造り。製法は以下の通り。原料米の1割を炊き、残り9割の米の中に埋めて、水を加えて3日置く。乳酸菌が増えて酸性となり、酵母も増える。それを濾して酸性の水を抽出し、麹と蒸米を混ぜて仕込む。途絶えていたが、奈良の酒蔵10軒の研究会が『多聞院日記』と『御酒之日記』を参考に復元している。
193字
「スパークリング日本酒について」
スパークリング日本酒は、近年脚光を浴びる発泡性の日本酒だ。フルーティーで低アルコールタイプ、特に甘酸っぱく口当たりの良い品質設計のものが多い。製法は主に3つ。①活性清酒(火入れをしていないにごり酒)、②上槽後、瓶内やタンク内で発酵を継続させ、炭酸ガスを溶け込ませたもの、③日本酒に炭酸ガスを充填して瓶詰めしたもの、である。ワインと異なり、スパークリング日本酒には必ずしも長期間の熟成は必要ではない。
199字
「熟成古酒について」
熟成古酒は、意図的に長期間貯蔵して、新酒の時には無い味わいを出すための日本酒だ。長期熟成酒や古酒、秘蔵酒等と呼ばれる。着色が特徴的で山吹色や琥珀色を帯びる。これは糖やアミノ酸がメイラード反応し、メラノイジンという着色物質を作る為。カラメルやハチミツ、木の実やスパイス等を感じさせる複雑な香りになり、味わいは複雑さやコクが生まれる。古酒は純米酒で行われる事が多く、吟醸酒は低温で貯蔵されることが多い。
199字
「原酒について」
「原酒」は上槽後に加水調整を行わないか、もしくはアルコール分1%未満の範囲で加水調整を行う日本酒である。日本酒はもともとアルコール度数が20%ほどと高いので、「割り水」で15〜16%程度に調整することが一般的だ。しかし、昨今のブーム、特に「無濾過生原酒」ブームを経て、販売機会が増えた。味わう時はストレートだけでなく、オン・ザ・ロックスや好みの濃度に加水する楽しみ方ができる。
188字
「アルコール添加酒について」
アルコール添加酒は、一般的に「アル添」や「アル添酒」と呼ばれる。特定名称酒の中では、大吟醸酒、吟醸酒、特別本醸造酒、本醸造酒が該当する。「アル添」の意義は主に2つあり、火落ち菌の増殖を防止する効果と、香り高くすっきりとした味に仕上げる効果がある。古くは江戸時代に柱焼酎(粕取り焼酎)で行われた。現在は、上槽の3日前から前日、あるいは直前に加えられる。特定名称酒に使える量は白米重量の10%以下である。
200字
「花酵母について」
花酵母は花から分離される酵母で、現在の主流は旧・東京農業大学短期大学部の中田久保教授が分離したもの。桜やコスモス、ナデシコ、いちごなど約30種の花酵母が生み出されている。奈良の「ナラノヤエザクラ酵母」や山口の「やまぐち・桜酵母」など、産官学連携で生み出される動きが活発化している。ただし、花酵母は分離元の花の香りをそのまま生成するものではない。既存の酵母では生み出せない香りを生む可能性を秘めている。
200字
「雄町について」 ※2022年に当たりました!
雄町は1859年に岡山の岸本甚造によって発見された最も歴史のある品種で、山田錦や五百万石の先祖である。発見当時の名は「二本草」であったが、発見地の「雄町」という地名で呼ばれるようになった。晩生品種。背が高く栽培が難しいため1970年代に約3haまで作付けが落ち込んだが、約500haまで回復し現在の生産量は国内4位。94.5%が岡山で生産される。適度な旨味があり、まろみがある酒質で、秋上がりする。
199字
「山田錦について」
山田錦は1923年に「山田穂」と「短稈渡船」の交配により誕生し、1936年に命名された。国内最大の生産量で37.5%のシェアを誇り、「酒米の王」の異名を持つ。大粒で心白発現率が高く、良質の麹になり、高精白も可能。濃醇な味わいの酒となる。晩生品種。70%が兵庫で栽培され、独特の村米制度を形成した。主産地である三木市と加東市の土壌はモンモリロナイトを主とする粘質土で、ミネラルをバランス良く含む。
197字
「五百万石について」
五百万石は1938年に新潟県農事試験場で「菊水」と「新200号」の交配で誕生。1957年に新潟の米の生産数量が500万石を突破したことを記念して命名。寒冷地向けの早生品種で、大粒で心白がある。さばけが良い蒸米となるため良い麹になる。米質は少し硬く溶けにくいため、淡麗で爽やかな酒質となる。「淡麗辛口」は五百万石によって実現された。総生産量の50%弱が新潟で生産され、他21府県で幅広く栽培されている。
200字
「八反系の酒米について」
広島を代表する酒米で「八反35号」と「八反錦1号」が県奨励品種。1875年に育成された「八反草」がルーツ。その後「八反10号」、「八反35号」、「八反40号」が生み出され遺伝子が継がれている。「八反錦1号」は「八反35号」と「アキツホ」によって誕生。大粒で心白発現率が高い。姉妹品種の「八反錦2号」は1号よりも穂が短く、千粒重が大で、心白が大。1号は標高200〜400m、2号は400m前後に適す。
199字
「青森県の産地の特徴について」
青森県の酒造りは、伝統的には「濃醇で、しっかりした酒質」であるが、近年「穏やかな酸味で綺麗なタイプ」のお酒も人気を博している。江戸時代から続く酒蔵が多く、津軽エリアでは大規模な治水工事と新田開発によって、南部エリアでは東廻り航路に伴う近江商人の伝来によって、酒造りが活発化した。近年では「まほろば華酵母」の開発や、「華吹雪」など県オリジナルの酒米開発が盛んであり、酒米は自給自足タイプである。
196字
「静岡県の産地の特徴について」
静岡県の酒質は涼やかで、軽快な酸味と上品な甘味がある。また、酢酸イソアミル系の香りと低い酸、きれいで滑らかな吟醸酒も特徴。1986年の全国新酒鑑評会で金賞受賞数一位を記録して以来「吟醸王国静岡」と呼ばれる所以だ。立役者となったのは河村伝兵衛技師で、県オリジナルの「静岡酵母」を開発した。山田錦に放射線照射して生み出した酒米「誉富士」も有名。特定名称比率は88%と高く、酒米は自給自足タイプである。
198字
「兵庫県の産地の特徴について」
兵庫県は日本酒も酒米も生産量日本一の日本酒県である。酒米の生産量は国内の28%で、山田錦発祥の地であるため山田錦は国内の58%を生産。酒米自給移出タイプ。「協会1号酵母」が分離されたのも灘の酒蔵だ。酒造りは室町時代までさかのぼり、当初は伊丹や池田で造られた。日本三大杜氏の丹波杜氏は、江戸期に最高レベルの酒造技術を誇った。酒質の特徴は硬水である「灘の宮水」の生酛仕込みに代表される飲み応えある辛口。
199字
「広島県の産地の特徴について」
広島県は酒質の高さと日本酒生産量の多さで銘醸地として知られる。広島は軟水であるが、明治期に三浦仙三郎が強い麹造りと低温長期醪による醸造法を確立し、現在の吟醸造りの礎となった。協会3〜5号酵母も広島の酒蔵から分離された。八反系の酒米を多く生産し、同時に雄町系と山田錦の生産量も多い自給移出タイプ。酒質は、甘口から辛口まで旨味があってキレが良い。口当たりは柔らかく、香りは芳醇、軽い甘味を持つものが多い。
200字
「高地県の産地の特徴について」
高知県の酒造りの歴史は古く、平安時代には紀貫之が『土佐日記』に「童まで酔っ払って」と紹介し、戦国時代には長宗我部元親が「酒は災の元」と禁酒令を出したほど。近年では県主導の酒造りが盛んで、セルレニン耐性で高カプロン酸エチル生成酵母の「CEL酵母」を開発。「吟の夢」、「風鳴子」、「土佐麗」と言った酒米も生産。酒蔵の連携も強く、「TOSA NAKAMA SAKE」を結成して活動している。
192字
「福岡県の産地の特徴について」
福岡県は焼酎と日本酒の二刀流の県として知られる。江戸時代中期から酒造りが始まり、明治期に生産量を増やし、九州全体の約3割を造る。筑後川流域の筑後平野に酒蔵が集中し、軟水醸造を行っている。気候が良いため酒米の生産にも適しており、「糸島産山田錦」はブランドになっている。「夢一献」や「吟のさと」も生産し、酒米は自給自足タイプである。酒質は、酸味がありキレの良い辛口が多い。北国のような繊細な味の酒も増加。
200字
「焼酎の減圧蒸留と常圧蒸留について」
常圧蒸留は、醪温度85〜95℃という高温で蒸留する方法。結果的に、多くの成分が流出するとともに、高温による分解や合成などの化学変化が促進し、香ばしい香味を生み出す。そして、減圧蒸留は、醪温度45〜55℃という低温で蒸留する方法。常圧蒸留よりも化学反応が抑制されるため、軽快なタイプで、果物香(エステル)を得やすい点が特徴となる。単式焼酎の減圧蒸留は、1970年代初頭に開発された。
190字
「甘藷焼酎と料理について」
甘藷焼酎は、主原料がサツマイモの蒸留酒で、麹は米で造られることが多く、黒麹や白麹を使う。鹿児島が「GI薩摩」を取得していて、県産の甘藷を原料に、鹿児島県内(奄美市・大島郡以外)で製造される単式蒸留焼酎について「薩摩」を表示できる。テルペン系やβダマセノンなどの甘やかな香りが特徴なので、豚肉料理との相性が良く、豚骨の煮込み、豚肉のしゃぶしゃぶ、豚肉のリエットなどに合う。また、鹿児島の食材にも合う。
199字
「壱岐焼酎と料理について」
壱岐焼酎は「GI壱岐」を取得している蒸留酒だ。長崎県壱岐市の地下水を用い、市内で米麹を用いて造られる麦焼酎について「壱岐」と表示する事ができる。壱岐は麦焼酎発祥の地とされ、米麹を使う事により、ライ麦パンに感じる麦の香ばしさと米由来の蒸米のような香りが調和する。名産のウニの塩漬けや、麦味噌を用いた鶏鍋に合い、減圧タイプはそば粉のブリニとキャビアに合う。セモリナ小麦を意識してパスタに合わせる事も可能。
200字
「黒糖焼酎について」 ※2022年に半分当たりました!
黒糖焼酎は奄美諸島でのみ造られている蒸留酒だ。第二次世界大戦後に黒糖が出荷できなくなった事から酒造が始まる。黒糖のみで蒸留酒を造るとスピリッツ(ラム)となるため、米麹を用いる。米麹で一次醪を仕込み、溶かした黒糖を加えて二次醪とする。黒糖に由来する甘い香りと酸やココナッツのような香りが特徴であり、麹を用いためラムとは異なる香気成分が含まれる。黒糖焼酎前は粟、米、ソテツの実等で焼酎造りが行われていた。
200字
ちなみに、論述試験は、消しやすいシャープペンシルもしくは鉛筆が必須です。
20分で200字3問は結構ハードなので、消しやすさが重要でした…
酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)全体については、下記の記事をご参照ください。
一次試験対策については、こちら。
各県ごとの対策については、こちらのシリーズを。
本記事が「酒ディプロマ(SAKE DIPLOMA)」受験の参考になれば幸いです。
受験のお陰で日本酒がさらに大好きになった、すしログ(@sushilog01)でした。
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予想問題 2問も的中していらっしゃいますね!あー、昨日の試験前にこのサイトに巡り合いたかったです〜。。
覚えているつもりでも、試験になると100%表現できず、無念でした(笑)
そして、テイスティングの特定名称が難しかったです…
2024年度の酒ディプロマを受けた者です。
(また来年受け次は絶対受かります✊)
その為に勉強中であります📝
すしブログさんの論文攻略などをとても参考にしております。
(2024年該当有り)
来年度に向けこれからも参考にしますのでよろしくお願い致します。
ありがとうございます!
お力添えできるよう、対策記事はアップデートしたいと思います。
僕も日々テイスティングを行い、知見を深めていきます。