こんにちは、焼き鳥も大好きなので地鶏に目がない、すしログ(@sushilog01)です。
さて、「日本人にとって最もなじみ深い肉」と言えば、鶏肉ではないでしょうか?
廉価でどんな料理にも合う鶏肉は、家計を助けてくれるパートナーですね。
しかし、スーパーで買えるブロイラーではなく、銘柄鶏や地鶏を頂くと、味わいの違いに驚かされます。
すしログ
そこで、今回、地鶏の中でもトップクラスの美味しさだと思う、天草大王(あまくさだいおう)をご紹介したいと思います。
鶏肉で感動してみたい方、是非とも試してみてください!
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熊本が誇る地鶏・天草大王とは?
天草大王は熊本県の天草地方で育てられている「地鶏」です。
もともと明治中期に頃に中国から輸入されたランシャン種をもとに、大型に改良された鶏となります。
大正時代には「博多水炊き用肉鶏」として出荷していたものの、昭和の不況下で博多水炊きの需要が落ち込み、飼養羽数が減少した末に絶滅してしまいました…。
しかし、1992年にアメリカからランシャン種を購入し、熊本コーチンと掛け合わせて改良し、2000年の第7世代の頃に見事に復活!
国内の鶏としては最大級の大きさで、オス4kg、メス3kgで、平均は3.5kgとなります。
…と書いてもサイズ感が分かりませんよね。
他の鶏のサイズを挙げると、名古屋コーチンが平均2.3kg、奥久慈しゃもが平均2.35kg。
前者は日本で最も有名な地鶏の一つで、後者は名店・バードランド系列のお店で使用される地鶏です。
こうして見ると、天草大王が特に大きい事が分かると思います。
しかし、特筆すべきは大きさよりも、味!
味が最も重要に決まってますよね。
天草大王の特長は、主に5つあります。
- 大きい鶏なのに、香りが上品
- 身質が引き締まっていて、旨味が強い
- 繊維質がしっかりしているので、噛むほど旨い
- 繊維質がしっかりしてけど、瑞々しくジューシィ
- 一般的な鶏では敬遠されがちな、皮や脂が旨い
地鶏の中でもトップクラスの美味しさです!
さて、そこで「地鶏」とは何でしょうか?
地鶏、銘柄鶏、ブロイラーの違いとは?
国内の生産量については、ブロイラーが50%、銘柄鶏が49%に対して、地鶏はわずか1%と言われます。
希少性が高い鶏になりますが、その理由は明白です。
端的に、生育期間(出荷日齢)の長さと生育方法が完全に異なるのです。
- ブロイラー(通称「若鶏」):40日~50日
- 銘柄鶏:ブロイラー(若鶏)に工夫を加えて育てたもの(エサや飼育期間など)
- 地鶏:出荷日齢75日以上、28日齢以降平飼い、1㎡あたり10羽以下、在来種の血液が50%以上
こうして見ると「地鶏」を名乗るハードルの高さが分かるのではないでしょうか?
天草大王の生産者・姫コッコ倶楽部さんについて
姫コッコ倶楽部さんは八代湾に面した場所にあり、養鶏場からは海を見渡せるそうです。
自然環境に恵まれた土地で、ゆったりと育てられています。
姫コッコ倶楽部さんは他の鶏を飼っていないようで、「天草大王専門店」として営業。
天草大王は国内最大の鶏でもあるので、専門で育てられていると言うのは安心感を抱けます。
熊本県の天草大王全体の月間出荷数は15,000羽で、そのうち約2,000羽が姫コッコ倶楽部さんのものとの事です。
ちなみに、面白いのが天草大王のヒナは県が所有していると言う点。
生産者は養鶏農協からヒナ(初生雛)を仕入れて育てているそうです。
地鶏の定義、生育基準については焼鳥好きならば知るところですが、ヒナを県から仕入れていると言う情報は結構トリビアなのではないでしょうか?
仕入れたヒナは死んでしまわないよう温度管理を徹底し、ヒナが落ち着いたところでエサをあげるそう。
姫コッコ倶楽部さんは独自の試みとして、エサも工夫されています。
基本飼料のほかに天草姫戸町の特産品であるイワシ、ちりめんじゃこや近海・近隣のひじき、わかめ、貝類のパウダー、おから、野菜を与えているそう。
人間が食べて美味しいものを食べて育った鶏となりますね。
ブロイラー(若どり)のエサは輸入穀物飼料+抗菌剤である事が90%強とされるので、グルメ度が全く異なる鶏だと言えます。
また、育てる環境についても注意されていて、ヒナが来てから15日後から平飼用の鶏舎に移動させ、その後29日目からオスとメスを分けて育てられるそう。
そして、姫コッコ倶楽部さんでは130日間も掛けて育て、出荷時にはオスが4.5kg、メスが3.0kgにまで育つとの事です。
これもまた、ブロイラーが過密飼いで60日間程度である事に比べると段違いの差だと思います。
食・住ともに圧倒的なQOLの差ですね。
最後に、食のジャーナリストである山本謙治さんは「鶏肉の味=鶏の品種×餌×飼育期間」と仰っています。
https://toyokeizai.net/articles/-/155417
姫コッコ倶楽部さんの地鶏を頂くと、言葉の意味が実感できます。
姫コッコ倶楽部さんの天草大王の調理例と美味しさ
届いたお肉はもも肉500gほど、胸肉300gほどとボリューミー。
もも肉
胸肉
2,900円+送料となりますが、百貨店で天草大王を購入するよりもリーズナブルです。
料理しがいのある量なので、色々試してみました!
- 天草大王のタタキ(もも、胸)
- 天草大王の低温長時間焼き
- 天草大王の鍋
- 天草大王の鶏めし
全ての調理法で完全に別々の味である点に、別格の鶏だ!と言う時間を得ます。
天草大王のタタキ(もも、胸)
生産管理が徹底されている鶏肉だからこその食べ方ですね。
ネットでブロイラーで作っているレシピを見ますが、危ないのでダメですよ!
網に乗せ、直火で炙り、氷水で温度を止めて頂くだけ。
炙る前に室温で馴染ませておくところがポイントです。
もも肉の強い旨味と気持ちの良い香り、胸肉の確かな繊維質と胸肉離れした旨味を楽しめます。
美味しい地鶏は胸肉と皮と言った、ブロイラーだと敬遠される部位が美味しい!
天草大王の低温長時間焼き
熱していないフライパンに肉を乗せて、極弱火で30分焼き、ひっくり返して火を止めて10分放置するだけの調理法です。
Twitterでエリックサウスのイナダシュンスケさんがバズらせていたレシピです。
地鶏でもバッチリ美味しく仕上がります。
加熱によりタタキよりも脂が溶け、旨味が活性化します。
高温で焼いていないので、肉汁がジューシィ!
天草大王の鍋
利尻昆布、鰹節、冬菇で取った出汁で頂きました。
もも肉はプリプリ、胸肉はしっとりサックリな食感に。
天草大王の胸肉は鍋であっても旨味が抜けたりパサパサになりにくく、軽い酸味があるので大変味わい深いです。
天草大王の鶏めし
鍋の残りツユを用いて火入れし、ニンニク、醤油、味醂、砂糖で味付けした、大分スタイルの鶏めしです。
地鶏だと食感が豊かで贅沢な炊き込みご飯の具になります。
以上の通り、どう食べても美味しい鶏肉でした。
今回は和食のみでしたので、次回入手する際には洋食に用いてみたいと思います!
姫コッコ倶楽部さんの天草大王の入手先
姫コッコ倶楽部さんは、食べチョクに出店されています。
食べチョクユーザーにオススメの食材まとめ記事もご覧ください。
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