こんにちは、鮨を愛する鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
鮨好きならば高確率で知っているものの、一般的にはマニアック過ぎるアイテムがあります。
その名もズバリ【鋼鮫(はがねざめ)】で、これは大変優れたワサビおろし器です。
開発会社は伊豆にあるワサビ総合メーカーの山本食品さん。
ワサビ加工のプロが、「今までに無いワサビおろし器」として開発したのが【鋼鮫(はがねざめ)】です。
すしログ
しかし、それ以上に効果が絶大!
他のおろし器とは全く別のワサビがおろせます。
現在はミシュラン獲得店を含む一流店の多くに採用されていて、新たに採り入れる鮨店も増加中です。
ワサビって美味しいものなの?
おろし器で味が変わるものなの?
と思っている方は、是非ともご一読ください。
イメージが変わると思いますよ。
そして、家で食べるお刺身や牛肉の味が劇的に変わります!
タップできる目次
開発元メーカーの山本食品とは?
山本食品さんは静岡県三島市に社を構える企業で、ワサビの加工、製造、販売を主事業としています。
伊豆の名産品であるワサビを原料とした商品開発を行っていて、わさび漬、わさびマヨネーズ、わさびアヒージョなどのヒット商品があるそうです。
創業明治38年(1905年)で、110年以上の歴史がある老舗メーカーですが、4代目の山本豊社長の言葉から一貫して感じるのが、「わさびの魅力を伝えること」と「わさびの美味しい食べ方を伝えること」です。
僕は無類の鮨好きなのでワサビの重要性を痛感していますが、一般的には「刺身の脇役」というイメージが強いので、山本社長の言葉にはうなずく事が多いです。
例えば、
「高価なお刺身をチューブや付属のわさびで召し上がるのではなく、普段召しあがっているスーパーでお買い求めのごく普通のお刺身を、『鋼鮫』でおろした最高の状態の本わさびで召し上がって頂きたいです」
あるいは、
「だからこそ知ってほしいんです。本当のわさびを、本当のわさびの美味しさを!混ぜものや西洋わさびは、わさびという名前であってもわさびではないことを」
※上記コメントはFINDERSの特集記事より引用させて頂きました
そんなワサビへの熱い想いのある山本社長が生み出したおろし器が【鋼鮫(はがねざめ)】です。
究極のワサビおろし器【鋼鮫(はがねざめ)】の効果や如何に!?
多くの一流鮨店で使用されている【鋼鮫】の威力は如何ほどか?
ワサビの重要性については、僕もブログ(すしログ)で昔から強調してきました。
鮨においては、ワサビの味が握りの味を左右するからです。
どんなに良い魚を用いても、粉ワサビだと論外と言えるほどチープな味になります。
そして、良いワサビであっても、ワサビの産地やおろし方次第では魚の味を邪魔しかねません。
なので、ワサビにうるさい鮨職人が【鋼鮫】を愛用している事実だけで十分な説得力がありますが、一般人としては如何ほどの威力かは自ら使ってみないと分かりません。
そして、一般的な金おろし(おろし金)やサメ皮おろしと比較しないと分かりません。
そこで自分で試してみたのですが、味がビックリするほど異なりました。
端的に特徴を挙げると、下記の3点です。
- ワサビの甘みを引き出せる
- ワサビの香りを引き出せる
- エアリーもしくはクリーミーな口当たりにおろせる
おろした際の粒子の粗さで言うと、金おろし>>鮫皮おろし>鋼鮫です。
すしログ
これは「どれがベスト」と言う話ではなく、全て異なる使い方が出来る点が重要です。
しかし、【鋼鮫】は従来とは異なるワサビの表現を可能にしたことが凄い!
そして、実は辛味についても他のおろし器よりも引き出せるそうです。
オフィシャルサイトの情報によると、金おろしの辛味度を1とした時、鮫皮おろしは約1.2倍、鋼鮫は約1.5倍の数値が実証されたそうです(静岡県立大学食品栄養科学部調査)。
味の面でワサビの美点を引き出し、今までに無い食感と口当たりを実現するのが、鋼鮫と言えます。
これを可能にしているのは、特殊な加工を行った板面である事は言うまでもありません。
鋼鮫の板面は小さな「わさび」の字で構成されています。
これは一見するとジョークグッズのようですが、実は試行錯誤の末に導き出された根拠に基づいています。
それはアルファベットの「C」の形。
当初は三角、四角、星形などで開発実験を行っていたそうですが、アルファベット、カタカナを試すうちに「C」がベストだと結論付けたそうです。
そして、「わ」「さ」「び」の字には偶然にも「C」が入っているため、採用されたと言う感動的(?)なエピソードがあります。
エピソードを聞いてもジョークのように思われるかもしれませんが、本当に味が変わる点が全てを証明しています。
ちなみに、板面にはリアルジョークも仕込まれています。
「わさび」に潜む「わびさび」の文字が分かりますか?
ゲシュタルト崩壊する前に答えを示すと、下記の画像の位置にあります。
結構難しいですよね(笑)
【鋼鮫】とサメ皮おろし器【長次郎】を比較!
実際に自分で行った実験をご紹介します。
同じワサビを【鋼鮫】とサメ皮おろし器の一大ブランドである【長次郎】ですりおろして、比較しました。
ちなみに、野菜や薬味のおろし器としてセラミック製のものをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、ワサビについてはNGです!
ワサビの美味しさはきめ細かくおろして、空気と混ざる事で引き立つものなので、潰すように粗く削るセラミック製は不向きです。
さて、比べてみましょう。
【長次郎】との比較で言うと、圧倒的に異なるのが甘みです。
こんなにも違うのか!と言うほど、ワサビの甘みが引き出されます。
そして、次に明らかに異なるのが口当たり。
【鋼鮫】はふんわり、瑞々しくおろせるのに対して、【長次郎】は粘度が表現できます。
辛味はともに金おろしよりも強く引き出せます。
【長次郎】の方が辛味がストレートに伝わり、【鋼鮫】は甘み→辛味→甘みと伝わるイメージです。
これらはどちらが良いと言う話では決して無く、好みや調理用途に合わせて選べば良い話です。
個人的には併用して損はないと思います。
ただ、【鋼鮫】でおろしたワサビを使った【ワサビ丼】は絶品でした!!
口当たりが良く、爽やかなので、無尽蔵に食べてしまいます。
本枯節、うすくち醤油、【鋼鮫】ワサビのコンビネーションはワサビを美味しく食べる至高の調理法の一つだと断言します。
どのモデルを買えば良いの?スペック比較
ワサビおろし器は滅多に買うものではないので、どれを買えば良いの?と悩む事でしょう。
【鋼鮫】には3種類のラインナップがあります。
商品名 | おろし面のサイズ | 価格 |
本わさび専用おろし板 鋼鮫(スタンダード) | 縦7.7cm×横7.7cm | 4,000円 |
本わさび専用おろし板 鋼鮫ミニ | 縦6.8cm×横5.7cm | 2,500円 |
本わさび専用おろし板 鋼鮫プロ | 縦13.0cm×横11.0cm | 13,000円 |
料理人の方はプロ1択
で間違いありません。
料理好きの一般人の多くはスタンダードとミニのどちらかとなりますが、個人的にはスタンダード1択です。
と言うのも、ワサビはある程度広い板面でおろした方が、楽に美味しくおろせるからです。
これは【長次郎】を購入する際に確信しました。
そして、【鋼鮫】についてもスタンダードが丁度良いサイズで、個人的にはこれより小さいとおろしにくいと感じました。
価格差も1,500円と大差があるわけではないですし、保管スペースも取らない商品なので、後々の事を考えるとスタンダードをオススメします。
後で「大きな方を買えば良かった…」と後悔するのは悲しいですので。
ちなみに、【長次郎】のスペックも記載すると、下記の通りです。
商品名 | おろし面のサイズ | 価格 |
長次郎 小 | 8.3cm×5.1cm×5.3cm | 1,580円 |
長次郎 中 | 11.2cm×6.2cm×6.8cm | 2,750円 |
長次郎 大 | 13.8cm×8.2cm×8.2cm | 3,900円 |
長次郎 特大 | 23.7cm×11.1cm×12.3cm | 14,000円 |
長次郎 超特大 | 27.3cm×11.3cm×15.9cm | 16,300円 |
長次郎 超々特大 | 31cm×13cm×19cm | 19,000円 |
僕が使用しているのは【長次郎 大】で、おろし面(台形)のサイズは上底7cm×下底8cm×高さ7cmです。
【大】でも小さめなので、【中】【小】は止めた方が無難です。
【鋼鮫(はがねざめ)】の入手方法とまとめ
いかがでしたでしょうか?
僕も鮨店で「鋼鮫ワサビ」を頂いてきましたが、握りで頂くだけでは真価が分かっていなかった!と痛感しました。
そのまま頂いたり、【長次郎】と比較したりすることで、【鋼鮫】の凄さを体感できました。
その凄さの一端が伝わり、新たなワサビファンが増えれば良いなと願っています。
入手方法については、かつては販路が限られていましたが、現在は生産量が上がったため、オンラインの各種ショップで入手可能です(ありがたい!)。
こだわる方は【長次郎】も併用してみてください。
すしログ
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