酒ログレビュー:水平テイスティング【来福】と【いずみ橋】

来福といずみ橋

こんにちは、鮨と日本酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。

さて、「日本酒を勉強したい!」という方にオススメの一冊が、『日本酒テイスティング カップ酒の逆襲編』です。

これは著者の北原康行氏がソムリエだけあって、ソムリエ的なアプローチが面白い一冊。

対象となるお酒がカップ酒で手に入るところも手が届きやすくて嬉しいコンセプトです!

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前回は、「Bエリア」に分類される、富山県の【黒部峡】と石川県の【加賀鳶】の飲み比べを行いました。

今回は書籍の中で「Cエリア」に分類される、茨城県の【来福】神奈川県の【いずみ橋】を飲み比べします!

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来福酒造【来福】と泉橋酒造【いずみ橋】のテイスティングノート(レビュー)

来福といずみ橋01

それでは、飲み比べに入ります。

それぞれの銘柄名は下記のとおりです。

  • 来福 純米吟醸 愛山
  • いずみ橋 とんぼの夕焼けカップ

飲用温度帯については、香りを取りやすい12℃です。

【来福】と【いずみ橋】の色合い

来福01

【来福】の外観は、かすかにイエローがかった透明なクリスタルな色調。

いずみ橋

【いずみ橋】の外観は、穏やかなイエローからゴールドの色調で、軽いとろみがある。

【来福】と【いずみ橋】の香り

来福02

【来福】の香りは、マスカットに青リンゴのような爽やかな香り

甘さを予感させる香りだ。

→テキストによると「お花のような香り。ツルバラ酵母を使っているため、バラの香り」とのことですが、これには全く同意できませんでした。

花酵母を使用していても花の香りはしないことを、逆説的に学ばせて頂きました。

「熟していない若々しい香り。ウリっぽい香りも」と言うコメントについては親しい印象です。

いずみ橋02

【いずみ橋】の香りは、香ばしさがハッキリとあり、トーストのような麦のような香ばしさだ。

華やかさは無く、純米酒らしい。

→テキストによると「トーストの香りと、お餅を焼いたような香り」とのことで、ほぼドンピシャでした。

「香りはおとなしい」との評価についても完全に同意するところです。

 

【来福】と【いずみ橋】の味わい

【来福】と【いずみ橋】の味わいについて、以下のとおりです。

【来福】の味わい

まず酸味が立ち、甘みに加えてアルコールのキリッと感も感じる。

そして、香りだけでなく、飲んでも青リンゴっぽさを感じる。

フィニッシュは、軽い苦味とキレがある酸味で爽やか。


→テキストによると「若々しいウリのニュアンス」とのこと。

【来福】に限って言うと、香り的にも味わい的にもテキストはピント外れだと感じました。

【いずみ橋】の味わい

どっしりした見た目や香ばしさとは裏腹に、意外にも想定される苦味が弱く、酸味が穏やかに広がってゆくアタック。

硬質な味わいだ。

そこに、軽く爽やかな酸味が加わり、どっしりした味わいを引き締める。

→テキストによると「旨味が強いし、コクがある」「加賀鳶にあったアルコール感も感じる」「加賀鳶よりもアルコール感が残りやすい」とのことです。

理由については、加賀鳶の精米歩合が65%であるのに対して、いずみ橋は70%で、この5%の違いがテクスチャーの違いを生み出し、いずみ橋はとろっとしているためアルコール感が残りやすい、とのこと。

これは勉強になった。

さらに、「精米歩合70%あたりに大きな境目がある」とのことで、精米歩合70で美味しいお酒を造るためには、確かな技術力と良いお米が必須であるとの談。

 

【来福】と【いずみ橋】の水平テイスティングの感想

テキストによると、Cエリアになると「醇酒」が現れるとの記載です。

「醇酒」とは「香りが低く、味わいが濃い」お酒のこと。

【いずみ橋】は「醇酒」であり、東北・北陸エリアのお酒よりも味わいが濃いと予想できる、とのことです。


【来福】と【いずみ橋】を飲み比べした感想としては、確かにテキストに書かれている通り、Bエリア(北陸)よりも味わいが濃い印象を抱きました。

個人的にエリア全体に一般化するのは現実的ではないと思いますが、傾向としては把握していて損はありません。

Cエリアまでの日本酒は基本的に「エレガント」な傾向があり、吟醸酒であればさらに「エレガント」 になり、純米酒であれば「パワフル」になります。

【来福】は「エレガント×エレガント」、【いずみ橋】は「エレガント×パワフル」となります。

エリア×タイプ(磨きにもとづく特定名称のタイプ)から味のイメージを予測する試みは、アリです。

 

【来福】と【いずみ橋】のスペック・蔵元データ

【来福】と【いずみ橋】のスペックについては、以下のとおりです。

  • 醸造元(製造者):来福酒造(茨城県)
  • ブランド名:来福 純米吟醸 愛山(らいふく じゅんまいぎんじょう あいやま)
  • 特定名称:純米吟醸
  • 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
  • 原料米・麹米:兵庫県産愛山
  • 精米歩合:50%
  • 酵母:ツルバラ花酵母
  • アルコール度:15%
  • 日本酒度:+0
  • 酸度:1.2
  • 価格:1,705円(720mL)
  • 醸造元(製造者):泉橋酒造株式会社(神奈川県)
  • ブランド名:いずみ橋 とんぼの夕焼けカップ
  • 特定名称:純米
  • 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
  • 原料米・麹米:自家栽培米(山田錦・亀の尾・雄町・神力など)ブレンド
  • 精米歩合:70%
  • 酵母:
  • アルコール度:15%
  • 日本酒度:
  • 酸度:
  • 価格:385円

 

【来福】と【いずみ橋】の入手方法

僕はテイスティングのためにカップ酒を購入したので、有名な「味のマチダヤ」で入手しました。

こちらは上質な日本酒をカップ酒で揃えています。

四合瓶/一升瓶は各種ネットショップで入手可能です。

【いずみ橋 とんぼの夕焼けカップ】の方はネットであまり販売されていませんが、以下のサイトがヒットしました。

▶佐藤商店オンラインショップ

また、特約店の酒屋さんが近所にある場合は、問い合わせてみても良いかもしれません。

▶泉橋酒造の全国の特約店

同じようなテイスティングを行いたい人は、『日本酒テイスティング カップ酒の逆襲編』がオススメです。

前作の『日本酒テイスティング』ともにエリアで日本酒を分類する手法がユニークです。

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日本酒の奥深さに魅了される、すしログ(@sushilog01)でした。

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