こんにちは、鮨と酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。
本シリーズでは前回「秋田県」編をお届けしました。
さて、いきなりですが、酒クイズ!
- 秋田県で最も有名なオリジナル酒米は何でしょうか?
- 秋田県の日本酒と酒造好適米の生産量ランキングは何位?
- 秋田県で有名な酵母を2つ答えてください
わからない…と言う人は、「秋田県」編をご参照ください。
本シリーズは、都道府県ごとの日本酒の特徴を知りたい方にオススメです!
また、すしログらしく、食の情報も盛り込んでいます。
今回は山形県の日本酒造りについて解説します!
本記事は、最新情報を得るたびに追記して、より良い内容を目指します!
山形県の概要
- 日本酒生産ランキング:全国10位
- 酒蔵(清酒免許場)の数:56蔵(全国7位)
- 特定名称酒の比率:83%(全国8位)
- 酒造好適米生産ランキング:全国9位
- トップ3の酒米:出羽燦々、美山錦、出羽の里
- 代表的なオリジナル酵母:山形酵母(KA)
- 有名な銘柄:十四代、山形正宗、楯野川
- 全体的な特徴:淡麗辛口
全都道府県の概要についての記事はこちら!
※本記事の情報は『SAKE DIPLOMA教本〔Second Edition 2020年3月〕』に基づきます
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山形県の日本酒造りの特徴
山形県は「吟醸王国山形」と呼ばれ、吟醸酒の比率が高い県になります。
そして、創業400年以上の蔵が多く、古来より酒造りに定評がある県です。
さらに、近年も酒造りに積極的で、県の工業技術センターが醸造指導を行い、酒蔵も連携しているところが特徴です。
その結果、官民合わせてシナジー効果を発揮し、有名な【十四代】だけでなく、県全体として酒質のレベルが非常に高いと言われています。
山形県は地域によって気候が異なりますが、庄内地方、内陸部の村山地方、置賜地方にほぼ3分の1ずつ酒蔵が存在しています。
庄内・最上エリアは積雪がありながら、村山・置賜エリアは穏やかというギャップも興味深い県です。
山形県の生産量と酒質について
山形県の日本酒生産数量は7,839キロリットルで、全国10位でした(2017年)。
特定名称の比率は83%と高く、数量で全国6位です。
酒造好適米の生産量は年間3,527トンで全国9位、国内生産量の3%を占めます。
酒質は、吟醸酒が多く、やわらかくて透明感があるところが特徴。
そして、米の旨味と甘味が乗っていて、しっかりと飲みごたえのある味わいと言われます。
酒米のトピックとしては、品種が多いところが特徴。
有名な亀ノ尾に始まり、県開発の出羽燦々、出羽の里、、雪女神や、民間開発の酒未来、龍の落とし子、羽州誉、亀粋などバリエーションが豊かです。
多数のお米を作りつつほぼ全てを県内で消費し、「酒米自給自足タイプ」の県となります。
山形県の日本酒造りの歴史
山形県には、現存する老舗酒蔵が多数あります。
- 羽根田酒造:1592年
- 小屋酒造:1593年
- 小嶋総本店(東光):1597年
- 高木酒造(十四代):1615年
- 渡會本店(出羽の雪):1625年
- 樽平:1695年
- 米鶴酒造:1704年
- 野沢酒造店:1706年
- 佐藤酒造店:1716年
- 寿虎屋酒造:1716~35年
- 嵐山酒造:1717年
- 鯉川酒造:1725年
- 加茂川酒造:1741年
- 後藤康太郎酒造店:1772年
- 冨士酒造:1778年
- 後藤酒造店:1788年
- 男山酒造(羽山男山):1789年
- 和田酒造:1797年
中には、なんと応仁の乱で都落ちして酒造りを始めた蔵もあり、酒造の歴史が根付いています。
江戸時代後期には「大山酒」というブランドに統一し、北海道から長崎まで海路を利用して販売していたそうです。
その後、明治期に生まれたのが有名な「亀ノ尾」です。
江戸期に庄内藩が進歩的な農政を行った名残で、阿部亀治という篤農家によって生み出されました。
かつては「神力」、「愛国」と並んで「三大品種」として数えられた酒米です。
そして、昭和以降も米開発は積極的に続き、現在に至るまで数々の品種を生み出しています。
中でも定評があるのが「出羽燦々」で、山形でしか栽培されていないのに全国8位の生産量を誇ります。
特長は、大粒で、心白発現率が高く、タンパク質の含有量が少ない点です。
蔵の多くは杜氏集団を雇わず、蔵元杜氏や社員杜氏の体制が多いようです。
そして、2016年12月に地理的表示「GI山形」が全国で初めて、都道府県単位で指定されました。
ブランディングの試みも奏功しており、酒米「出羽燦々」、麹菌「オリゼー山形」、酵母「山形酵母」を用いた純米吟醸酒を「DEWA33」と認証して販売しています。
【酒ディプロマ対策!】200字まとめ
対策を兼ねて、200字以内でまとめてみました。
山形県を特徴づける点は多数の酒造好適米とGI山形だ。前者については明治時代に阿部亀治氏が育成した「亀の尾」に始まり、現代においても「出羽燦々」や民間開発の「酒未来」など人気の酒米を多数生産。そして、2016年に日本酒の産地保証である「GI山形」を取得し、「出羽燦々」と麹菌「オリーゼ山形」、「山形酵母」を使用した純米吟醸酒を「DEWA33」として売り出している。「吟醸王国山形」としても名高い。
197字
山形県の日本酒ランキングとオススメのお酒
「SAKETIME」さんによると、山形県の人気ランキングは以下のとおりです。
- 十四代:高木酒造
- くどき上手:亀の井酒造
- 朝日鷹:高木酒造
- 栄光冨士:冨士酒造
- 秀鳳:秀鳳酒造場
- 山形正宗:水戸部酒造
- 楯野川:楯の川酒造
- 上喜元:酒田酒造
- 米鶴:米鶴酒造
- 山川光男:山川光男プロジェクト
12月に山形に行く予定なので、幅広い銘柄を飲んできたいと思います!
山形県の郷土料理とオススメの飲食店
山形県の郷土料理で僕のオススメは、以下のとおりです。
- いも煮
- お麩料理
- だし
- 玉こんにゃく
- 月山筍料理
- どんがら汁(寒鱈汁)
- 山形蕎麦
そして、オススメ&これから訪問したい「日本酒が美味しいお店」は、こちらです。
- 酒菜一(山形市)
- 出羽屋(山形市)
- いしやま寿司(山形市)
- こい勢(酒田市)
- いな舟(鶴岡市)
- 酒BAR 彩鶴(鶴岡市)
- 鮨もりむら(鶴岡市)
- 山形座 瀧波(南陽市)
- 竜湖畔 壹傳(南陽市)
旅と日本酒は切っても切り離せない!と実感する、すしログ(@sushilog01)でした。
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