こんにちは、鮨と日本酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。
本シリーズでは前回「青森県」編をお届けしました。
さて、いきなりですが、酒クイズ!
- 青森県のオリジナル酒米のトップは何でしょうか?
- 青森県のオリジナル酵母は何でしょうか?
- お酒の味わいの特徴を、2つ答えてください
わからない…と言う人は、「青森県」編をご参照ください。
本シリーズは、都道府県ごとの日本酒の特徴を知りたい方にオススメです!
また、すしログらしく、食の情報も盛り込んでいます。
今回は宮城県の日本酒造りについて解説します!
本記事は、最新情報を得るたびに追記して、より良い内容を目指します!
宮城県の概要
- 日本酒生産ランキング:全国14位
- 酒蔵(清酒免許場)の数:36蔵(全国23位)
- 特定名称酒の比率:96%(全国1位)
- 酒造好適米生産ランキング:全国19位
- トップ3の酒米:蔵の華、美山錦、山田錦
- 代表的なオリジナル酵母:宮城酵母
- 有名な銘柄:浦霞、伯楽星、日高見
- 全体的な特徴:濃醇辛口
全都道府県の概要についての記事はこちら!
※本記事の情報は『SAKE DIPLOMA教本〔Second Edition 2020年3月〕』に基づきます
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宮城県の日本酒造りの特徴
宮城県は、全国で唯一「みやぎ・純米酒の県」宣言をしています。
その結果、特定名称比率は96%と圧倒的で、全国1位の純米酒県となっています。
酒造りの特徴は、酒造好適米だけでなく一般米(飯米)を使用するお酒も多い点です。
一般米を使いながら、酒造好適米のお酒に匹敵するほど「きれいな味」に仕上げることから、酒造技術のレベルが高い県だと言われます。
全体的な味の特徴としては、澄んだ味で辛口の酒質と言われます。
気候的な特徴は典型的な太平洋気候で、夏には「やませ」と言う海風が吹き、暑さが和らぎます。
しかし、日照時間を妨げ、冷害となることもあります。
年間平均気温は12.4℃と穏やかで、年間日照時間は1,795時間と長めです。
全36蔵の酒蔵の半数近くが県北の内陸、丘陵地帯に位置しています。
そして、気仙沼や石巻などの沿岸部の酒蔵も多いです。
宮城県の生産量と酒質について
宮城県の日本酒生産数量は6,784キロリットルで、全国14位でした(2017年)。
前述の通り、特定名称の比率は96%で全国1位を誇ります。
「みやぎ・純米酒の県」宣言は1986年に出されたため、非常に早い取り組みです。
酒造好適米の生産量は年間1,078トンで国内生産量の1%ほどに留まりますが、この理由は「ササニシキ」などの一般米を使うためです。
県オリジナルの酒米は「蔵の華」で、生産量は87%の874トン。
「山田錦」と「東北140号」を掛け合わすことで耐冷性を実現しました。
「蔵の華」は低タンパク質で、酸度とアミノ酸度が低い酒質になります。
「蔵の華」に込められた想いは「蔵の中で、香りよく、酔わせる華となる酒米」です。
そして、「蔵の華」に続いて、「美山錦」143トン、「山田錦」45トンとなっています。
酒米はほぼ全てが県内で消費され、「酒米自給自足タイプ」の県と言われます。
宮城県の日本酒造りの歴史
宮城県での酒造りの始まりは、グルメ大名、伊達政宗公の時代とされます。
大和(現在の奈良県)から酒造職人を招聘し、「御城内定詰御酒御用」として召し抱え、なんと城内の名水湧出地に酒蔵を建てたそうです。
しかも、御膳酒、夏氷酒、忍冬酒、桑酒など20種類異常の酒を醸造したため、仙台の酒造りに多大な影響を与えました。
- 千松島 1660年
- 内ヶ崎酒造店 1661年
- 仙台伊澤家勝山酒造 1688年
- 大沼酒造店 1712年
- 阿部勘酒造店 1716年
- 佐浦(浦霞) 1724年
- はさまや酒造店 1757年
- 田中酒造店 1789年
その後、藩政時代から現代まで宮城県の酒造りを支えているのが、隣県・岩手の南部杜氏です。
岩手県よりも多くの南部杜氏が活躍し、そのため、南部杜氏は日本最大の一派となっています。
東北の厳しい冬の寒さを活かし、低温長期仕込みを行うことで、澄んできれいな酒質の酒を造っています。
【酒ディプロマ対策!】200字まとめ
対策を兼ねて、200字以内でまとめてみました。
宮城県を特徴づける性質は「特定名称比率が96%で全国1位な点」と「蔵の華などの酒米に加えてササニシキなどの一般米も使う点」。1986年に「みやぎ・純米酒の県」宣言を出している。酒造りは伊達政宗公の頃に始められ、大和から職人が招聘された。その後、藩政時代から今に至るまで南部杜氏が活躍している。冬の寒さを活かして低温長期仕込みを行うことで澄んだきれいな味の酒質を特徴としている。酒米は自給自足タイプ。
199字
宮城県の日本酒ランキングとオススメのお酒
「SAKETIME」さんによると、宮城県の人気ランキングは以下のとおりです。
- 宮寒梅:寒梅酒造
- 伯楽星:新澤醸造店
- 萩の鶴:萩野酒造
- 日高見:平孝酒造
- 愛宕の松:新澤醸造店
- DATE SEVEN
- 浦霞:佐浦
- 墨廼江:墨廼江酒造
- 勝山:仙台伊澤家 勝山酒造
- 一ノ蔵:一ノ蔵
モダンなお酒だけでなく、歴史ある蔵のお酒も人気なところが特徴的!
個人的に今まで一番飲んだことがある宮城のお酒は、平孝酒造さんの【日高見】です。
社長が鮨好きとして有名なためか、鮨店での取り扱いが非常に多いので…
宮城県の郷土料理とオススメの飲食店
宮城県の郷土料理で僕のオススメは、以下のとおりです。
- あざら
- アナゴ料理
- カキ料理
- 餅料理
- 笹かまぼこ
- しそ巻き
- ずんだ餅
- はらこ飯
- ホヤ料理
- メカブ
僕は【牛タン焼き】も好きですが、日本酒との相性を考えると、やはり三陸沖の魚介類ですね…
牡蠣と穴子は様々なお店で頂けますし、お取り寄せも簡単なので、宮城の酒と合わせると喜びひとしおです。
牡蠣と穴子は淡白な味から濃厚な味まで調理できるので、お酒と幅広く合わせられますね。
そして、オススメ&これから訪問したい「日本酒が美味しいお店」は、こちらです。
- 一心(仙台市)
- 佗び助(仙台市)
- おかざき(仙台市)
- 藤原屋 みちのく酒紀行(仙台市)
- 千松しま(塩竈市)
- 和み処 男山(塩竈市)
- いまむら(石巻市)
- 福よし(気仙沼市)
旅と日本酒は切っても切り離せない!と実感する、すしログ(@sushilog01)でした。
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