こんにちは、鮨と日本酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。
さて、「日本酒を勉強したい!」という方にオススメの一冊が、『日本酒テイスティング カップ酒の逆襲編』です。
これは著者の北原康行氏がソムリエだけあって、ソムリエ的なアプローチが面白い一冊。
対象となるお酒がカップ酒で手に入るところも手が届きやすくて嬉しいコンセプトです!
冒頭でいきなり紹介した理由は、僕もこちらの書籍に基づいて勉強してみようと思ったからです。
そこで、早速酒屋さんに駆け込んで、2酒類ゲットしました。
今回は「Bエリア」に分類される、富山県の【黒部峡】と石川県の【加賀鳶】の飲み比べを行います!
本記事を読んで頂ければ、両者の味わいに加えて、辛口の判断ポイントや「余韻」について分かります。
☆全国6,000軒以上を食べ歩く食好き
★「J.S.A. SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」
☆食べログTOPレビュアー
★「すしログ」のTwitterにて幅広い情報を発信中
☆インスタ「酒ログ」でテイスティング情報を発信
★すしログnoteで鮨・グルメに関する記事を執筆
タップできる目次
林酒造場【黒部峡】と福光屋【加賀鳶】のテイスティングノート(レビュー)
それでは、飲み比べに入ります。
それぞれの銘柄名は下記のとおりです。
- 黒部峡 純米吟醸55
- 加賀鳶 極寒純米 辛口
飲用温度帯については、香りを取りやすい12℃です。
【黒部峡】と【加賀鳶】の色合い
【黒部峡】と【加賀鳶】の色合いについては、下記のとおりです。
【黒部峡】の外観は、ほんのりとイエローがかっているが、ほとんどクリスタルな色調。
【加賀鳶】の外観は、ややレモンっぽいイエローがあるが、透き通ったクリスタルな色調。
【黒部峡】と【加賀鳶】の香り
【黒部峡】と【加賀鳶】の香りについては、以下のとおりです。
【黒部峡】の香りは、アルコール感に独特の香ばしさがある。
あたかも麹漬けのような香ばしさだ。
その奥には爽やかな香りがほんのりとある。
→テキストによると、セルフィーユの香りとのこと。
これには「なるほど!」と納得した。
反対に、「桃のような甘い香り」も感じられるとの説明もあるが、これは全く同意できなかった。
【加賀鳶】の香りは、【黒部峡】よりもさらに麹香が強く、むしろ奈良漬け的な印象すらある。
藁を天日干ししたような乾いた香ばしさ。
→テキストによると、「醤油っぽい香り」とのこと。
これについても「なるほど」と納得。
さらに、アルコールの香りがある。
→テキストによると、これこそが辛口酒の特徴であり、辛口の判断は匂いで可能とのこと。
【黒部峡】と【加賀鳶】の味わい
それぞれの味わいについては、以下のとおりです。
【黒部峡】の味わい
甘味よりも酸味が走り、苦味が喉に伸びる。
キリッとしていて、シュワシュワとアルコール感が残る。
アフターフレーバーに香りや味わいがずっと残り、余韻が長い。
→テキストによると、「長い余韻」とは、飲んだ後に8秒続くことが条件とのこと。
5秒以下なら「余韻が短い」と言えるそう。
「余韻が長い」と言うことは味わいにボリューム感があると表現出来るとのこと。
【加賀鳶】の味わい
穏やかに、しかし力強く味わいが広がる。
どっしりした旨味の後に、力強い苦みが舌と喉を刺激する。
甘みも強いものの、苦味によってバランシングされている純米酒だ。
余韻は短い。
いわゆる「キレがある辛口の日本酒」だ。
【黒部峡】と【加賀鳶】の水平テイスティングの感想
純米吟醸と純米で製法こそ異なりますが、端正な味であるところが共通点でした。
爽やかさや華やかさよりも、キレを求める方には最適な銘柄だと感じます。
【黒部峡】と【加賀鳶】のスペック・蔵元データ
【黒部峡】と【加賀鳶】のスペックについては、下記のとおりです。
【黒部峡】のスペック
- 醸造元(製造者):林酒造場(富山県下新川郡朝日町)
- ブランド名:黒部峡 純米吟醸55(くろべきょう じゅんまいぎんじょうゴーゴー)
- 特定名称:純米吟醸
- 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
- 原料米:麹米:兵庫県産山田錦、掛米:富山県産五百万石
- 精米歩合:麹米55%、掛米55%
- 酵母:金沢酵母(きょうかい14号)
- アルコール度:15~15.9%
- 日本酒度:+5
- 酸度:1.6
- 価格:1,650円(720mL)
【加賀鳶】のスペック
- 醸造元(製造者):福光屋(石川県金沢市)
- ブランド名:加賀鳶 極寒純米 辛口(かがとび ごっかんじゅんまい からくち)
- 特定名称:純米
- 原材料:米、米こうじ
- 原料米:全量契約栽培米・酒造好適米使用
- 精米歩合:65%
- 酵母:金沢酵母(きょうかい14号)
- アルコール度:15%
- 日本酒度:+4
- 酸度:1.8
- 価格:1,257円(720mL)
【黒部峡 純米吟醸55】と【加賀鳶】の入手方法
僕はテイスティングのためにカップ酒を購入したので、有名な「味のマチダヤ」さんで入手しました。
こちらは上質な日本酒をカップ酒で揃えています。
四合瓶 or 一升瓶ならば各種ネットショップで入手可能です。
同じようなテイスティングを行いたい人は、『日本酒テイスティング カップ酒の逆襲編』はオススメできます。
必ずしも全てのテイスティングノートに同意する必要はありません。
日本酒テイスティングのイロハを知り、自身の指標を作ることが出来る点がメリットで、類書が無いので必読と言えるでしょう。
前作の『日本酒テイスティング』ともにエリアで日本酒を分類する手法がユニークです。
日本酒の奥深さに魅了される、すしログ(@sushilog01)でした。
本記事のリンクには広告がふくまれています。