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今回は賀茂泉酒造【純米吟醸 朱泉本仕込】をテイスティングします。
賀茂泉酒造さんは、2022年の「酒まつり」で魅力を知りました。
「味わい深いお酒」を求める方には、ヒットするお酒です!
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賀茂泉酒造【純米吟醸 朱泉本仕込】のテイスティングノート(レビュー)
「賀茂泉酒造」さんの創業は、1912年(大正元年)にさかのぼります。
そして、「賀茂泉酒造」さんは、純米酒のパイオニア的存在として重要です。
戦時中から戦後にかけて、物資が不足したため、日本酒は伝統が一時途絶え、悪名高き「三増酒」が定着しました。
「三増酒」の正式名称は「三倍増醸清酒」で、本来は日本酒は「米、米こうじ、水」で造るところ、かさ増しをするため「醸造アルコール、糖類(ブドウ糖など)、酸味料(乳酸など)、グルタミン酸ナトリウム(うま味調味料)」を大量に加えた、「清酒」と呼べないシロモノです。
アルコール添加自体は江戸時代に腐造を防ぐ技術として、柱焼酎(米焼酎や粕取り焼酎)を添加する技法が使われていましたが、「三増酒」のアル添は味の面で必然性に乏しい添加です。
今でこそ純米系のお酒の方が人気を誇る時代になりましたが、戦後は長らく人工的なお酒が日本酒と見なされてきました(「三増酒」が廃止されたのは、なんと2006年と割と最近です)。
しかし、「賀茂泉酒造」さんは1965年に純米酒の試験醸造を行い、1971年に「本仕込 賀茂泉」を発売しました。
その後、1973年に全国15の蔵と「純粋日本酒協会」を設立し、純米酒の普及活動を行ってきました。
そのような経緯から、今回ご紹介する【純米吟醸 朱泉本仕込】は酒蔵を代表する銘柄となります。
ちなみに、西条には賀茂鶴酒造さんや、【賀茂金秀】で有名な金光酒造さんなど、「賀茂」という単語が目立ちます。
これは、西条町の旧地名が「賀茂」であった事に由来します。
「賀茂泉酒造」さんは仕込み水に使う名水「茗荷清水」にちなみ、1963年に「賀茂泉」に社名を変更されたそうです(それまでの屋号は福正酒造)。
それでは、【純米吟醸 朱泉本仕込】のレビューに入ります。
【賀茂泉 純米吟醸 朱泉本仕込】の色合い
外観は、透明感があり、穏やかなクリスタルを秘めた、やや濃いイエローです。
熟成を掛けて出荷しているのが分かります。
【賀茂泉 純米吟醸 朱泉本仕込】の香り
香りについては、穏やかな熟成香を感じさせた後、グレープフルーツやヒノキ、月桂樹などの木々の香りに、軽いシナモンの香りを同居させつつ、穏やかなカラメル香とかすかな醤油の香りが調和します。
穏やかな栗の香り、炊いた米、つきたての餅などお米由来の香りもあり、「純米吟醸」らしからぬ重厚な香りです。
あたかも熟成を掛けた純米酒のような、頼りがいのある香りです。
【賀茂泉 純米吟醸 朱泉本仕込】の味わい
アタックはやや強く、ふくよかな甘みがあるものの、旨味を伴った強い苦味が覆いかぶさります。
実に厚みのあるバランスの、力強い純米吟醸です。
余韻はやや長く、甘味に媚びない苦味が持続します。
「硬派かつクラシックな純米吟醸」だと感じます。
飲用温度帯による味わいの変化
57℃の燗酒は、パンチがあり、「昔ながらの燗酒」に近付きます。
ただ、一度燗をつけた後に落ち着かせると、苦味がまろやかになり、甘味と巧く調和します。
2日目以降の味わいの変化
変化はほとんどありません。
賀茂泉酒造【純米吟醸 朱泉本仕込】のスペック・蔵元データ
賀茂泉酒造【純米吟醸 朱泉本仕込】のスペックについては、以下のとおりです。
- 醸造元(製造者):賀茂泉酒造(広島県西条市)
- ブランド名:賀茂泉 純米吟醸 朱泉本仕込
- 特定名称:純米吟醸
- 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
- 原料米:広島八反、新千本
- 精米歩合:58%
- 酵母:KA-1
- アルコール度:16%
- 日本酒度:+1.0
- 酸度:1.6
- 価格:720ml・1,785円
賀茂泉酒造【純米吟醸 朱泉本仕込】の入手方法
賀茂泉酒造【純米吟醸 朱泉本仕込】については、広島県の酒屋さん以外で、ほとんど見かけません。
飲んでみたい方は、ネット通販が良いと思います。
テイスティングの技量を上げて行きたい、すしログ(@sushilog01)でした。
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