こんにちは、鮨と日本酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。
本シリーズでは前回「栃木県」編をお届けしました。
さて、いきなりですが、酒クイズ!
- 栃木県で日本酒造りが始まった時代は?
- 栃木県で日本酒造りが始まった理由は?
- 栃木県が銘醸地である理由は?
わからない…と言う人は、「栃木県」編をご参照ください。
本シリーズは、都道府県ごとの日本酒の特徴を知りたい方にオススメです!
また、すしログらしく、食の情報も盛り込んでいます。
今回は長野県の日本酒造りについて解説します!
本記事は、最新情報を得るたびに追記して、より良い内容を目指します!
長野県の概要
- 日本酒生産ランキング:全国12位
- 酒蔵(清酒免許場)の数:86蔵(全国3位)
- 特定名称酒の比率:59%(全国29位)
- 酒造好適米生産ランキング:全国3位
- トップ3の酒米:美山錦、ひとごこち、金紋錦、しらかば錦
- 代表的なオリジナル酵母:アルプス酵母
- 有名な銘柄:真澄、信州亀齢、大信州
- 全体的な特徴:淡麗辛口
全都道府県の概要についての記事はこちら!
※本記事の情報は『SAKE DIPLOMA教本〔Second Edition 2020年3月〕』に基づきます
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長野県の日本酒造りの特徴
長野県は、誰もがイメージするとおり自然に富み、日本の屋根と呼ばれるため湧水が極めて豊かです。
そして、酒米の品質も高く、「美山錦」は評価が高く、「ひとごこち」とともに他県で使用されています。
全体的に小さな酒蔵が多く、酒蔵は千曲川沿いに点在。
土地土地の地酒蔵で豊かな個性を発揮しています。
日本酒関連のトピックは豊富で、1946年に宮坂醸造(真澄)から「きょうかい7号酵母」が分離され、今でもシェアがトップクラスの酵母です。
そして、1980年代の吟醸酒ブームでメガヒットした酵母が「アルプス酵母」。
吟醸香の主成分である「カプロン酸エチル」を大量発生させるため圧倒的に人気を誇り、現在の酵母に多大な影響を及ぼしました。
「アルプス酵母」は「デリシャスリンゴの香り」を強く発する酵母です。
2003年には日本酒の「長野県原産地呼称管理制度」をスタートしました。
長野県は農地の80%以上が標高500m以上の高地です。
年間降水量は933mmと少なく、北海道東部に次ぐ少なさです。
昼夜、夏冬の気温差が大きく、年間日照時間は1,940時間と長いため、米穀の栽培に有利な地形となります。
長野県の生産量と酒質について
長野県の日本酒生産数量は7,359キロリットルで、全国12位でした(2017年)。
上記の通り酒造好適米の生産にも秀でていて、年間6,294トンで全国3位、国内生産量の6%を占めます。
特定名称の比率は59%で、全国29位。
小規模酒蔵が上質な特定名称酒に移行することで、現在の長野県の日本酒人気をキープしています。
定評ある「美山錦」は1978年に生まれました。
「たかね錦」にγ(ガンマ)線を照射して突然変異で生み出されたのが「美山錦」です。
他県でも人気な酒米を多数生産するため、「酒米自給移出タイプ」の県となります。
長野県の酒質は「水の良さを感じさせる、透明感のある軽めの酒質」と言われます。
吟醸香が華やかなタイプもあれば、落ち着いた香りのタイプもあります。
長野県の日本酒造りの歴史
長野県での酒造りは、室町時代末期に始まったので、全国的にも長い歴史を誇ります。
- 酒千蔵野:1540年
- 湯川酒造店:1650年
- 戸塚酒造店:1653年
- 宮坂醸造(真澄):1662年
- 岡崎酒造:1665年
- 千曲錦酒造:1681年
- 長野銘醸:1689年
- 大澤酒造:1689年
- 今井酒造店:1691年
- 橘倉酒造:1675~1696年
- 沓掛酒造:1688~1704年
- 諏訪大津屋本家酒造:1717年
- 桝一市村酒造場:1755年
- 酒ぬのや本金酒造:1756年
- 福源酒造:1758年
- 麗人酒造:1789年
佐久市の大澤酒造で、1689年の創業時に醸造した日本酒が昭和期に発見され、話題を集めました。
しかし、長い酒造りの歴史を誇る長野県には地元の杜氏がいませんでした。
よって、1933年に地元当時の育成が始まり、諏訪杜氏、小谷杜氏、飯山杜氏の3流派が生まれました。
長野県の酒質を上げるきっかけとなったのは、1972年に長野酒造組合が設けた搗精工場です。
県内5ヶ所に建設し、小さな酒蔵でも高精白を行えるようにしました。
1995年には5つの搗精工場を統合し、信濃大町に最新鋭の「アルプス搗精工場」を建設しました。
【酒ディプロマ対策!】200字まとめ
対策を兼ねて、200字以内でまとめてみました。
長野県は、豊富な湧水と酒米栽培に恵まれた気候のため、室町時代末期から酒造りが盛んであった。1946年には宮坂醸造から「協会7号酵母」が分離され、全国清酒品評会で上位を席巻。1985年には「アルプス酵母」が開発され、カプロン酸エチルを高生産することから吟醸ブームに多大な人気を誇った。酒米の「美山錦」は他県でも人気で、1978年に「たかね錦」にγ線照射で誕生。酒質は透明感があり、酒米は自給移出タイプ。
200字
長野県の日本酒ランキングとオススメのお酒
「SAKETIME」さんによると、長野県の人気ランキングは以下のとおりです。
- 信州亀齢:岡崎酒造
- ソガペールエフィス:小布施ワイナリー
- 川中島 幻舞:酒千蔵野
- 御湖鶴:諏訪御湖鶴酒造場
- 大信州:大信州酒造
- 九郎右衛門:湯川酒造店
- 十九:尾澤酒造場
- Beau Michelle :伴野酒造
- 亀の海 :土屋酒造店
- 鼎:信州銘醸
長野県の郷土料理とオススメの飲食店
長野県の郷土料理で僕のオススメは、以下のとおりです。
- おやき
- 鯉料理
- 五平餅
- 蕎麦
- 野沢菜漬
そして、オススメ&これから訪問したい「日本酒が美味しいお店」は、こちらです。
- 無名(茅野市)
- 草如庵(東御市)
- 旅舎右馬允(大鹿村)
- 深酒(松本市)
- 日本酒 炭火焼き ちどり(長野市)
- グート(上伊那郡)
旅と日本酒は切っても切り離せない!と実感する、すしログ(@sushilog01)でした。
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