こんにちは、七味だけで15種類以上試したことのあるクレイジーな、すしログ(@sushilog01)です。
さて、七味と言えば、東京だと「やげん堀」さん、長野だと「八幡屋礒五郎」さん、京都だと「原了郭」さんなどが全国的に有名です。
社名にピント来ない方でも、各ボトルを見れば、「ああ、あれか〜」とすぐに分かると思います。
お蕎麦屋さんや鰻屋さんで一度は見たことがあるはずなので…
しかし、今回ご紹介する七味は、個人的に究極的に美味しいと考える七味です。
それは、やまつ辻田さんの【極上七味唐がらし】です。
すしログ
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大阪府堺の名店「やまつ辻田」とは?
「やまつ辻田」の創業は1902年(明治35年)にさかのぼり、 大阪府堺市にあります。
ただ、「堺市」と言っても堺駅よりも狭山駅(南海電鉄)の方が遥かに近く、一風変わった場所に位置します。
その理由は、お店がある場所は旧街道(西高野街道)沿いで、昔は茶店で賑わっていたエリアだそうです。
この地にある理由は、実は堺は唐辛子・鷹の爪が特産品とのこと。
初代が薬味の境地を求めてこの地に創業したそうです。
お店はいかにも旧街道沿いの商家…と言った雰囲気で、趣があります。
店内の販売スペースは優雅で、工場機能がメインの本店であっても優雅なブランドイメージを作られている点は素晴らしいと感じます。
僕は東京にあるクジラ料理専門店でやまつ辻田さんの【極上七味唐がらし】を知りました。
https://sushi-blog.com/entry/nezu-himitsukujira
前述のメーカーさんの七味も全て美味しいと思いますが、【極上七味唐がらし】を初めて頂いた時は衝撃を覚えました。
それくらい美味しく、香り高いので。
その場で容器を撮らせてもらい、日本橋高島屋さんに卸している事を知り、すぐに購入しました。
やまつ辻田さんの【極上七味唐がらし】の凄さ!
パッと見は、【黒七味】を世に広めた「原了郭」さんのものに少し似ています(東日本の七味に比べると、黒みがかっているため)。
香りについても少し似たところがありますが、「香りの複雑さ」と「香りの鮮烈さ」においてはやまつ辻田さんが上です。
これは別にどちらが優れていると言う問題ではなく、事実としてです。
山椒が少し強めで、胡麻も強め、あとは青海苔の香りが芳醇です。
季節によっては山椒の香りが更に高まります。
「七味」を構成する各々の薬味の香りを極大まで広げつつ調和させている七味だと感じます。
関東の七味は山椒の香りよりも唐辛子の辛味が先行しますが、これは関東の温かい蕎麦ツユとの相性がバッチリです。
かたや、お出汁を重視する関西のうどんには、辛味が強すぎる七味は合いません。
このあたり、どの料理にどの七味を使うかでも感じる印象と魅力が変わってくるのは間違いありません。
ただ、香りを重視するならば、やまつ辻田さんの【極上七味唐がらし】は「必携」とも言える逸品だと思います。
僕は情報無しで純粋に風味のみで惚れた次第ですが、調べてみたところ原材料が凄いです。
【極上七味唐がらし】の原材料
- 国産唐辛子
- 朝倉粉山椒
- 丹波産有機黒ごま
- トルコ産有機金ごま
- 柚子
- 四万十川産糸すじ青のり
- けしの実
「朝倉山椒」は聞きなれない方が多いかもしれませんが、兵庫県養父市八鹿町朝倉が発祥の品種で、戦国時代から大名の献上品として伝えられる名山椒です。
胡麻についても有機栽培モノはお値段が段違いなので、原料に原価を掛けているのが一目瞭然です。
これらの原料を石臼で挽き、100年以上続くブレンド比で調合されたものが【極上七味唐がらし】となります。
現在は四代目当主の辻田浩之さんが味を継承されています。
なお、【極上七味唐がらし】のほかに、【大からから極上七味】や【柚七味】など調合を変えた七味も作られています。
料理によって使い分けると通っぽいです(笑)
石臼挽き朝倉粉山椒
やまつ辻田さんは七味だけでなく、山椒も抜群に美味しいです。
特に、数量限定で出されている【石臼挽き朝倉粉山椒】は桁外れの香り、シビレ、色を誇ります。
やまつ辻田さんの朝倉粉山椒はレストランのサローネグループや、鳥羽 周作シェフ率いるsioグループでも使用されるほどにクオリティが評価されています。
他とは違う山椒を求めている人には超オススメです。
柚七味(柚子七味唐辛子)
やまつ辻田さんの柚子七味は柚子の香りと他の香りのバランスが絶妙です。
爽やかな柚子の香りを主役にしつつ、他の香辛料が協奏するので、これもまた一度使うとハマります。
夏季限定の暑気払い用七味
また、やまつ辻田さんには夏の風物詩である夏期限定商品【「暑気拂」 大からから極上七味】があります。
これは通常よりも1.5倍辛い七味となり、夏にピッタリな鋭さがあります。
しかも、ただ唐辛子で辛味をアップさせたのではなく、各香辛料の香りや山椒のシビレ(中国料理で言う麻)も調整されているところが流石!
【「暑気拂」 大からから名代柚七味】と合わせて購入しましたが、ともに印象深い逸品です(写真左が柚七味)。
夏場に本記事を閲覧された方は是非ともお試しください。
七味の風味と辛味を逃さないための正しい保存方法
前提としては、卓上や室内で保管するのではなく、冷蔵庫で保管するのが大切です。
これはお蕎麦屋さんや鰻屋さんの人気店でも徹底されておらず、ガッカリする事が多いです。
常温保存だと本来の風味が失われてしまい、劣化してひなびた匂いになってしまいます。
七味は容器の蓋を常に閉め、温度変化が少ない低温の場所に保管し、太陽光などの紫外線に当てないことが重要となります。
特に梅雨の時期から夏にかけては部屋に出す時間を十分お気を付けてください。
そして、更に長持ちさせる方法は冷凍。
詰め替え用の袋で購入し、冷凍保存すると風味が飛びません。
やまつ辻田さん本店でも冷凍保存されています。
当面使う分を容器に入れて冷蔵庫、他は袋で冷凍庫がベストの保管となります。
しかし、袋の中に水蒸気が入ってしまうと、解凍時に結露が生じて水分によって風味が飛んでしまいます。
詰め替え用の袋+小さなジップロックに入れるのが個人的に一番のオススメです。
僕はこの方法で山椒も冷凍保存しています。
まとめ
この記事がきっかけで、やまつ辻田さんの魅力が伝われば幸いです。
すしログ
ちなみに、やまつ辻田さんの本店については、大量に購入される際には電話確認が必須とのことです。
また、少量であっても、離れた場所にあるので事前に電話した方がベターです。
百貨店だと前述の通り高島屋さんにて入手可能です。
ネット通販でも比較的リーズナブルに入手できるので、近くに高島屋が無い方はネットで是非。
本当に数多くの方に試して欲しい極上の七味です!
やまつ辻田伝道師の、すしログ(@sushilog01)でした。
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