酒ログレビュー:民宿とおの【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】

どぶろく水もと4年熟成

こんにちは、鮨と酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。

さて、今回は「民宿とおの」の【とおの どぶろく 水もと】をご紹介します。


「民宿とおの(とおの屋 要)」は近年人気を急速に高めるオーベルジュ(料理旅館)です。

https://sushi-blog.com/entry/tonoya-yo

全てのお料理が「ここでしか頂けない料理」で、ご主人・佐々木要太郎さんの感性と常在菌が織りなす発酵料理には感動の連続です。

とおの屋岩場のうに


そして、造られている「どぶろく」のクオリティも抜群に高い!

【とおの どぶろく 水もと】は、スペイン・バスク地方のレストラン「ムガリッツ」で使用されています。

現代日本において、「どぶろく」は「素朴」、下手すると「野暮ったい」と思われがちですが、佐々木要太郎さんの「どぶろく」はエレガントで、フルーティ

既存の「どぶろく」観を砕いてくれるのは間違いありません。

とおのどぶろく水もと2年熟成02
すしログ
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ちなみに、購入後、3℃のワインセラーで更に2年半追熟を掛けました。

4年半も熟成したどぶろくなのにフレッシュな味わいで驚きました!

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【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】のテイスティングノート(レビュー)

とおのどぶろく水もと2年熟成01

【とおの どぶろく 水もと 2年熟成】は「水もと」で造られていて、これは即ち「菩提もと」です。

「菩提もと」は室町時代に奈良の菩提山正暦寺で生み出された酒造法で、お米と水と自然の乳酸菌を用いて仕込む方法です。

ただ、【とおの どぶろく 水もと 2年熟成】は決して古臭くありません。

地元・遠野の無農薬栽培のお米を使用する【とおの どぶろく 水もと 2年熟成】は、乳製品とフルーツの香りを合わせ持つ、スタイリッシュな味わいです。


使用しているお米は、酒造好適米ではなく、うるち米の「遠野1号」です。

多くの人にとって聞きなれないお米だと思いますが、それもそのはず、佐々木さんが一握りの籾から復活させたお米となります。


「遠野1号」は、1927年に北海道上川試験場で「坊主6号」と「亀ノ尾」を掛け合わせて開発され、1935年に遠野の農事試験場で「遠野1号・2号・3号・4号」に品種改良されたそうです。

山間の高冷地に適した、早稲品種です。

しかし、コシヒカリ人気に押されて途絶えてしまったそうです。

それを、一握りの籾から種を増やし、2008年秋に「どぶろく」を造れる収量まで拡大したそうです。


それでは、【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】のレビューに入ります。

【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】の色合い

とおのどぶろく水もと2年熟成03

外観については、混ぜる前の状態は、発泡していて滑らかなとろみがあり、ややゴールドがかったイエローです。

4年半の熟成を経てもなお活き活きした泡が印象的。


混ぜると、以下のとおりです。

とおのどぶろく水もと2年熟成04

【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】の香り

香りについては、混ぜる前は少しばかり糠の香りに加えて、発酵バターや生クリーム、ホエーを思わせる香りが先行し、ハチミツのようなコクを思わせる香りも漂います。

お米由来の香りもあり、炊いたお米のようですが、マスカットのような酸味のある爽やか香りと熟したバナナが調和。

混ぜる前から香りが良いです。


混ぜた後は、お米由来の香りとマスカット香が見事に調和!

トップクラスに香りが良いどぶろくです。

【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】の味わい

混ぜる前の味わいは、強い甘味のアタックにすぐさま酸味が引き締めます。

なめらかでシャープな酸味、そして、伸びやかで凛とした苦味が旨味となり味わいを強めます。

ビリビリと長続きする余韻と併走する酸味が印象深い。

マスカットとお米を足したような爽やかさとコクで、「旨味を強化したワイン」のようだと実感しました。

上澄みのレベルで豊潤で厚みのあるバランスです。


混ぜると、ヨーグルトや乳製品感が高まります。

ビリビリとした酸味と強いコクが広がり、溶けてギリギリの粒を残りしているお米は、とろーりとろけます。

とにかく旨味がたっぷり。

しかし、超爽やか。

お米を爽やかに化学変化させている、希有などぶろくです!


ビリビリ感、しゅわしゅわ感は、どぶろくならではな魅力。

個人的に、現存するどぶろくの中でもトップクラスに美味しいと実感します。

飲用温度帯による味わいの変化

フルーツや乳製品の香りを優先し、低温度帯のみで頂きました。

2日目以降の味わいの変化

発泡性があるため、抜栓後はすぐに飲んだ方が美味しいと思います。

ただ、未開封の状態であれば、年単位で熟成させることも可能です。

ただ、糠や漬け物に近い香りが強まる可能性もあるので、3℃以下の低温での熟成がベターだと感じました。

 

【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】と合う料理・食べ物は?

ペアリングの鬼才である千葉麻里絵さんが、どぶろくと【ブルーチーズのハムカツ】を合わせているので、僕も【アジの竜田揚げ(塩味)】とブルーチーズを合わせてみました。

アジの竜田揚げ

アジは立て塩(塩水)で〆て、1日寝かせて旨味を引き出してから揚げています。

ブルーチーズ

結果的に、両方とも相性が抜群!

お酒とお料理が引き立て合うのが素晴らしいです。


余談となりますが、千葉麻里絵さんの著書は素晴らしい内容です。

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【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】のスペック・蔵元データ

【とおの どぶろく 水もと 2年熟成(+2年半熟成)】のスペックについては、下記のとおりです。

とおのどぶろく水もと2年熟成05
  • 醸造元(製造者):民宿とおの(岩手県遠野市)
  • ブランド名:とおの どぶろく 水もと 2年熟成
  • 特定名称:無し(どぶろく)
  • 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
  • 原料米:遠野産遠野1号
  • 精米歩合:
  • 酵母:酵母無添加(蔵付き酵母)
  • アルコール度:14%
  • 日本酒度:
  • 酸度:
  • 価格:6,600円

 

【とおの どぶろく 水もと 2年熟成】の入手方法

【とおの どぶろく 水もと 2年熟成】については、希少性が高いため、入手が困難だと思われます。

しかし、熟成を掛けていない【とおの どぶろく 水もと】については、特約店でたまに見かけ、ネットショップでも入手する事が可能です。


新たな表現に唸る、すしログ(@sushilog01)でした。

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