こんにちは、鮨と酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。
本シリーズでは前回「宮城県」編をお届けしました。
さて、いきなりですが、酒クイズ!
- 宮城県で最も有名なオリジナル酒米は何でしょうか?
- 宮城県の特定名称比率は何%でしょうか?
- 宮城県で酒造りを始めたとされる大名は誰?
わからない…と言う人は、「宮城県」編をご参照ください。
本シリーズは、都道府県ごとの日本酒の特徴を知りたい方にオススメです!
また、すしログらしく、食の情報も盛り込んでいます。
今回は秋田県の日本酒造りについて解説します!
本記事は、最新情報を得るたびに追記して、より良い内容を目指します!
秋田県の概要
- 日本酒生産ランキング:全国5位
- 酒蔵(清酒免許場)の数:42蔵(全国16位)
- 特定名称酒の比率:53%(全国32位)
- 酒造好適米生産ランキング:全国5位
- トップ3の酒米:秋田酒こまち、美山錦、吟の精
- 代表的なオリジナル酵母:秋田流花酵母AK-1 →協会1501号に
- 有名な銘柄:新政、
- 全体的な特徴:濃醇辛口
全都道府県の概要についての記事はこちら!
※本記事の情報は『SAKE DIPLOMA教本〔Second Edition 2020年3月〕』に基づきます
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秋田県の日本酒造りの特徴
秋田県は、全国で1位2位を争うほど成人一人あたりの日本酒消費量が多い県です。
日本酒の生産量も全国5位となり、「美酒王国」を名乗っています。
酒米の生産量も全国トップクラスで、オリジナル酒米「秋田酒こまち」が県内で広く使用されています。
そして、秋田県は全国でも少ない県立醸造試験場を持ち、酵母や麹の研究が進められています。
1万石(180万リットル)以上の大酒蔵から数100石(1石=180リットル)ほどの小酒蔵まで、大小様々な蔵が存在しています。
それゆえに、お酒の味わいは多岐に及ぶと言われます。
気候的な特徴は典型的な日本海気候で、シベリアからの湿った季節風が吹きます。
その結果、日本有数の豪雪地帯となり、曇天日数は月の8割以上。
しかし、横手、大潟は日照時間が長いため、水稲作付け面積が90%近くもあり、全国有数の水田地帯になっています。
秋田県の生産量と酒質について
秋田県の日本酒生産数量は14,769キロリットルで、全国5位でした(2017年)。
同時に上記の通り酒造好適米の生産量も優れていて、年間4,821トンで全国5位、国内生産量の5%を占めます。
反面、特定名称の比率は53%と全国32位の順位です。
しかし、全体の生産量が多いので、特定名称酒の数量は全国4位となります。
かつては鉱夫を主な消費対象に酒造りを行なっていたため、甘口のお酒が多かったようです。
ただ、酒質はきれいで、豊かな甘味とされます。
微妙な渋みや苦味もあり、味の幅は広め。
現在は多様性に富み、輪郭のハッキリしたお酒が多いと言われます。
酒米については、県オリジナルの酒米「秋田酒こまち」2,417トンと「美山錦」1,850トンが酒米生産の約半分を占めます。
その他に「吟の精」198トン、「美郷錦」195トンなどを生産しています。
県内の酒蔵が購入する酒米はほぼ全てが県内産で、「酒米自給自足タイプ」の県となります。
秋田県の日本酒造りの歴史
秋田県での酒造りの歴史は古く、創業500年を超える「飛良泉本舗」もあります。
生産量は17世紀以降に大きく伸び、その理由が独特で、鉱山が次々と開発されたためです。
特権階級の地主たちは余剰米を用いて、冬季に小作人を使って酒造りを行いました。
そのような歴史の中で山内杜氏が生まれ、杜氏たちは家に帰った後も「どぶろく」を造ったそうです。
- 飛良泉本舗 1487年
- 木村酒造 1615年
- 奥田酒造店 1675年頃
- 福禄寿酒造 1688年
- 日の丸醸造 1689年
- 鈴木酒造店 1689年
- 武石酒造店 1765年
そして、大正時代になると秋田の酒は「全国清酒品評会」で上位入賞を常に獲得するようになりました。
その後、昭和に入って「きょうかい6号酵母」が秋田県内の酒蔵から分離され、それまでの協会酵母を駆逐するほど広まりました。
その酒蔵とは、今の時代に画期的な酒造りを行う、新政酒造です。
6号酵母は現在も現役で多用されています。
ご存知の通り【新政 No. 6】は、6号酵母で醸されているためのネーミングです。
【酒ディプロマ対策!】200字まとめ
対策を兼ねて、200字以内でまとめてみました。
秋田県の酒造りは17世紀以降に鉱山が開発されて躍進した。元来炭鉱夫が好む甘口の酒が好まれたが、現在はきれいな酒質で幅広いタイプの酒が造られている。昭和には「きょうかい6号酵母」が新政酒造から分離。その後、県立醸造試験場にて「きょうかい1501号」となる「秋田流花酵母AK-1」を開発。酒米「秋田酒こまち」も有名だ。日本酒生産量も酒米生産量も全国5位で、県民の消費量も有数のため「美酒王国」を名乗る。
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秋田県の日本酒ランキングとオススメのお酒
「SAKETIME」さんによると、秋田県の人気ランキングは以下のとおりです。
- 陽乃鳥:新政酒造
- No.6:新政酒造
- 花邑:両関酒造
- 亜麻猫:新政酒造
- 新政:新政酒造
- 雪の茅舎:齋彌酒造店
- 一白水成:福禄寿酒造
- まんさくの花:日の丸醸造
- 角右衛門:木村酒造
- ゆきの美人:秋田醸造
予想していましたが、新政のお酒が4/10とはスゴい!
僕もワインセラーに【秋櫻 -Cosmos-(コスモス)】と【天鵞絨(ヴィリジアン)】を寝かせています。
長く日本酒を飲んでいる人ならば新政から離れた時期があると思いますが、今の時代に飲むと凄さを再認識します。
ただ、次に秋田県に行った時は、現地でしか飲めないような酒蔵のお酒を頂いてみたいと感じています。
秋田県の郷土料理とオススメの飲食店
秋田県の郷土料理で僕のオススメは、以下のとおりです。
- いぶりがっこ
- 比内地鶏
- きりたんぽ鍋
- じゅんさい鍋
- しょっつる鍋
- ハタハタ寿し
【いぶりがっこ】は全国でもトップクラスに有名な漬物なのではないでしょうか?
お酒との相性は抜群で、クリームチーズと合わせられることも多々ありますね。
そして、「飲める鍋」として抜群に美味しいのが【きりたんぽ鍋】。
お米で作られる【きりたんぽ】なので、日本酒と合わないわけがありません。
そして、噛めば噛むほど旨味があふれる【比内地鶏】も日本酒の良きパートナー。
最後に、僕のイチオシの秋田の郷土料理が【ハタハタ寿し】です。
米麹でハタハタを漬け込んだ郷土寿司。
日本酒との相性は最高です!
気になる方は、メインブログの記事もご参照ください。
そして、オススメ&これから訪問したい「日本酒が美味しいお店」は、こちらです。
- 酒盃(秋田市)
- ん。(秋田市)
- あに(秋田市)
- さけ富(秋田市)
- 鳥天狗(秋田市)
- 永楽食堂(秋田市)
- あきたくらす(秋田市)
- 酒どこ べらぼう(能代市)
- 土と風(稲とアガベ醸造所)(男鹿市)
旅と日本酒は切っても切り離せない!と実感する、すしログ(@sushilog01)でした。
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