【タイ料理好きならハマる調味料】日本が誇る魚醤の傑作【いしり】とは?

こんにちは、自宅で発酵調味料を作る、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

日本が誇る伝統調味料でありながら、まだまだ「渋い」イメージがある【魚醤ぎょしょう】。

しかし、タイやベトナムの魚醤である【ナンプラー】や【ニョクマム】が好きなら人なら、試して損はありません。

ただ、浸透していない理由は、「どう使えば良いのか?」が分かりづらいのかもしれません。

本記事では、【魚醤】の中から能登の【いしり(いしる)】をご紹介します。

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【いしり】とは?概要と魅力を分かりやすく説明

【いしり】は「日本三大魚醤」の一つに数えられます。

「日本三大魚醤」とは他に、秋田の【しょっつる】、香川の【いかなご醤油】です。

これらは平たくと言うと、魚介類が原料の醤油です。

【いしり】はイカを食塩で漬けこみ、最低1年以上かけて発酵・熟成させて作る醤油です。

「いしり」と「いしる」の違い

【いしり】には別名があり、「いしる」とも呼ばれます。

これらの違いは基本的に地域ごとの呼び方の違いとされます。

地域ごとの呼び名は下記のとおりです。

  • いしり:小木港(能登町)、宇出津港(能登町)
  • いしる:輪島港(輪島市)、蛸島港(珠洲市)、富来福浦港(志賀町)

併記するとややこしいので、本記事では【いしり】に統一します。

 

ただ、さらに紛らわしいことに、「いしり」と「いしる」の違いは原料という説もあり、同時に「よしり」や「よしる」と言った呼び名もあります。

すしログ

のっけから何が何だかわからなくなりそうで、すいません!

ただ、放置して進めると、ネットでも諸々ヒットするので余計にわかりづらいと思いますので。

「いしり(いしる)」と「よしり(よしる)」の違い

「いしり(いしる)」は主にイカを使って作られる魚醤です。

そして、「よしり(よしる)」は、イワシ、サバなどを使って作られる魚醤です。

諸説あるようですが、原材料で分類しているサイトが多く、これが一番分かりやすいようなので、当サイトもならいます。

「いしり(いしる)」の旨味成分とナンプラーとの違い

【いしり】には大量のアミノ酸が含まれていて、旨味成分のグルタミン酸に始まり、他に甘味、酸味、苦味を構成するアミノ酸も豊富に含まれています。

つまり、成分的・科学的に複雑な味わいであることが証明されているわけです。

 

そして、タイのナンプラーについては砂糖を加えて作る事もありますが、【いしり】は魚介と塩のみです。

塩気は強いものの、旨味もしっかりしているので、少量で料理の味が決まるところが特徴となります。

 

ザックリした特徴としては上記の通りです。

ここで、【いしり】の魅力を伝えるべく、能登のあるお店をご紹介したいと思います。

「いしりイタリアン」の「民宿ふらっと」

そのお店の名は「民宿ふらっと」。

「民宿ふらっと」さんでは、オーストラリア人シェフが【いしり】を駆使してイタリア料理を作っており、唯一無二の魅力があります。

こちらで【いしり】と洋食の相性の良さを知った時には感動しました。

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【いしりのポタージュ】や【いしりのカルボナーラ】など是非とも一度食べてみて欲しい味です!

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【ご参考までにメインブログのリンクをご紹介します】

https://sushi-blog.com/entry/noto-flatt

ちなみに、実は「民宿ふらっと」さんの前身は全国で予約困難と呼ばれた民宿でした。

その民宿、「さんなみ」さんは自家製の【いしり】を駆使されていて、あの小泉武夫先生(農学者、発酵学者)も惚れ込んだとか。

 

「さんなみ」の【いしり】造りは文字情報で見るだけでも圧巻です。

なんと毎年7〜8トンも仕込んでいたそうで、製法としてはイカの肝を大量の塩で漬け、2年間熟成・発酵させた後に1度だけ絞り、火入れをして熟成を止めることで完成。

信じられないくらいに大量のイカを使用しますが、【いしり】となるのは原料の20%程度だそうです。

 

そのような伝統的な手作りの技を引き継ぐのが、「民宿ふらっと」の船下智香子さんです。

そして、その【いしり】で御料理を作られるのが、上述のシェフでありご主人のベンジャミン・フラットさん。

以上、【いしり】の持つポテンシャルと自由な発想で料理に使っても良いことをお伝えすべく、少々長くなりましたがご紹介させて頂きました。

【いしり】を用いた料理例

誰でも美味しく作れる料理としては、炒飯がオススメです。

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いしり特有のコクと風味が加わり、醤油とは全然異なる味わいになります。

塩気があるので、使用量にはご注意!

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また、ふらっとさんのようにパスタに使っても美味しいです。

加熱すると独特の香りが和らぎ、旨味を強く感じられるので、パスターのソースにはピッタリです。

イワシなどの青魚やイカ類との相性は抜群です。

また、EXオリーブオイルやアチェートバルサミコとの相性も良いので、サラダ用のドレッシングに用いても良い感じです。

あとは、貝類のカルパッチョにもオススメ。

ネットで入手可能なオススメの【いしり】

民宿ふらっと「一番いしり」

上記「民宿ふらっと」さんの「一番いしり」もネットで入手可能です。

幸運にも直販サイトから入手可能です。

(「本といしり2本セット」となります)


カネイシ・能登小木特産いしり

こちらの【いしり】はイカワタを使用して、ふらっとさんと同様に約2年間(24ヶ月)発酵熟成させています。

同時に大変珍しい「減塩いしり」も開発されていて、通常のいしりよりも塩分を40%もカットされています。

ヤマサ商事・純いしる

イカのみを使用して、約18ヶ月発酵熟成させています。

流通量が多く、いしりメーカーの中ではスタンダードなようです。

流通量が多くとも長期間熟成させているのは、大手醤油メーカーとは異なるスタンスで嬉しいですね。

大徳醤油・ホタルイカ魚醤

こちらは石川県外(兵庫県養父市)なので、厳密に言うと【いしり(いしる)】ではありません。

しかし、独自の製法で作られていますので、バリエーションとして面白いと思いピックアップしました。

 

【いしり(いしる)】を試したことがないと言う人は、是非とも試してみてください。

日本の伝統調味料の魅力を改めて体感できるかと思います!

 

【参考記事】

魚醤と言えば、珍しいアワビの魚醤もあります。

ナンプラーの比較記事もございます。

 

いしりの魅力を知ってから常備し続けている、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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