すしログ No. 55 鮨 一新@浅草

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こちらのお店は浅草寺の裏手、「観音裏」エリアにあり、なんとも粋な江戸の風情を残した鮨店です。

外観は親しみやすい雰囲気ですが、お店の内装や接客も非常に親しみやすいです。

ご主人、女将さんの腰の低いご対応には頭が下がります。

 

それでいて、シャリへのこだわりは半端ない。

米を炊く際に電気やガスを使用せず、炭を使い、特殊な釜で炊きあげているそうです。

味付けも大変アグレッシヴで、赤酢を全面に出し、酢も塩も結構強めに利かせております。

シャリは藁櫃で温度管理を行っており、適切。

硬さ、ほどけ加減も上々でした。

強い味わいのシャリですが、赤酢の旨味があるため、淡白なタネを活かしておりました。

「競奏するシャリ」という印象です。

 

こちらは酒肴も美味しいと伺っておりましたので、握りの前に軽くつけてもらうことにしました。

全体的に、季節の素材をさらりと出され、非常に好感の持てる酒肴です。

独自の仕入れを持っておられるのか、白海老を頂けたのは嬉しかった。

他の季節でも結構レアな食材を頂けるそうです。

 

再訪記事もございます。

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蛍烏賊

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じゅんさい

小ぶりながらに食感は中々。

酢、出汁の加減が良いです。

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ふきのおひたし 

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白海老

 

ここから握りを頂きました。 

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小鰭

一貫目が小鰭というのも面白いですが、皮の食感を強く残した〆加減。

味付けも包丁も個性的です。

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タイラギ

包丁を効果的に入れており、歯切れ抜群。

貝のクオリティも良いです。

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シャリとの相性が抜群です。

寝かしているのか旨味が強く、煮キリは控えめでシャリの味わいで食べさせる。 

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三枚付の鰹は初めて頂きました。

この時期(5月上旬)の淡い香りの鰹を優雅に頂ける仕事でした。

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マカジキ

非常に珍しい、マカジキの漬け。

まず香りが突き抜けてきた後に、強い旨味が残る。

漬けの仕事を効果的に用いた白眉のスペシャリテ。 

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鮪赤身

紀州勝浦産。香り良く、味わいも深い。

結構良いモノを入れておられます。

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鮪トロ

若干、筋が気になりましたが、温度の戻し加減が素晴らしいです。

シャリと馴染み、口に滲む脂が心地良いです。

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車海老

マキ海老(10〜15cm)と言われましたが、ほぼ車海老のサイズ(15cm〜)です。

茹で上げで頂くため、海老の香りを楽しめます。

火入れは強めです。

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蝦蛄

煮ツメも個性的です。ビターな煮ツメで、ほのかな酸味もあります。

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煮烏賊の炙り

かなり独自性の高い仕事!

食感的に蔵前の幸鮓の煮烏賊の方が上手ですが、直前に七輪で炙るため香りが食欲を刺激します。

また別の方向性の煮烏賊と言えるでしょう。

ただ、シャリの酢がやや勝ってしまうため、好みが分かれるかもしれません。

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穴子

白く仕上げる「爽煮」に近い煮加減で、笹の葉に敷いて七輪で炙る仕事。

直火ではなく、炭火で間接的に焼くことで焦げが無く、穴子の香りがダイレクトに来ます。

これは是非とも旬に頂いてみたくなります。

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大ぶりな浅蜊が嬉しい。

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干瓢巻き

かなり醤油を利かせ、柔らかめに煮込んだ干瓢。

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玉子

追加。甘みが低く、強めの食感の玉子です。

 

 

二人でビール大瓶一本、菊姫を一合頂いて、12,000円少々。

内容を考慮すると非常にコストパフォーマンスが高いです。

雰囲気や接客も含めて、若い方にも是非とも行って欲しいお店です。

なお、日本酒は菊姫以外には男山、黒龍がありました。

 

最後に、握りの途中で二番手さんに代わりましたが、親方よりも何段か技術が落ちました。
まだお若いので、成長が期待されます。

 

店名:鮨 一新(すし いっしん)

シャリの特徴:赤酢を利かせ、酸味は強めで、塩気は相対的に穏やか。温度が良好。

予算の目安:14,000円〜17,000円

最寄駅:TX浅草駅から600m、都営・メトロ浅草駅から1,000m

TEL:03-5603-1108

住所:東京都台東区浅草4-11-3

営業時間:18:00~22:00

定休日:日曜、祝日

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