2015年の8月に初めてお伺いしたこちら。
もっと早めに再訪したいと思っていたのですが、何だかんだで1年以上が過ぎてしまいました。
今回の訪問は晩秋…もしくは初冬。
初雪が降り、異常に冷え込む晩に訪問しました。
結論から申し上げますと、やはりこちらのお店はコストパフォーマンスが非常に高いです。
確かな江戸前仕事を満喫出来て、お腹一杯頂けのに、リーズナブル。
鮨種は何でもかんでも超一流である必要はありません。
これぞ鮨の醍醐味!と感じさせてくれる、非常に貴重なお店だと再認識しました。
鮨店に「仕事」と「握り」を求める方には、申し分無くオススメします。
こちらのシャリを改めて頂いたところ、赤酢のコントロールに秀でており、米一粒一粒に旨味がコーティングされており、酸味も良い塩梅だと感じました。
また、甘みが無く、シャープな酸味でありながら辛味を抑えたガリも美味しいです。
この度頂いた日本酒。
春鹿・超辛口純米、日高見・弥助。
先付
昆布〆した真鯛に赤海胆を添えた品。
鯛は皮も残し、旨味を活かす。
気取りの無い、良きスターター。
アカイカ
甘~く、トロトロ。
包丁の入れ方が良い。
真鯛
佐島産。軽く塩を振り旨味が凝縮されている。
甘鯛
昆布〆。じっくりと〆ており、ねっとりと旨味が滲み、昆布の強めの旨味が補強する。
鰹
なんと、11月下旬に壱岐の定置網に掛かった鰹(いわゆる「迷い鰹」)。
濃厚な甘みと力強い余韻に舌鼓を打つ!
鰹の香りも実に優雅。
薬味の量も良い塩梅で、鰹の輪郭をハッキリと際立てる。
仕事もさる事ながら、親方の目利きにも感服した一貫。
鮪赤身
産地は大間。
しっかり目の漬け加減で、強い鉄の香りや酸味と良いバランス。
鮪中トロ
酸味と脂の強い旨味を楽しめ、やはり鮪は中トロだと再認識。
こちらのシャリとの相性も極めて高い。
鮪大トロ寄りの中トロ
前の中トロよりも甘みが強く、違った喜びを抱く。
鮨店での食べ比べは大好きです。
小鰭
熊本との事だったので、天草辺りでしょうか。
しっかりと〆つつ、しっとりした食感を提示する仕事。
酢は強めに浸透させており、香りと甘みが活きている。
赤貝
赤貝の王者・閖上産。
少し小ぶりだが、昆布的な風味、キメ細かい旨味の粒子は流石!
閖上の赤貝は他の産地のモノとは大きく異なる。
海松貝
香りがしっかりあり、シャリとの相性が抜群。
貝の旨味と軽い苦味にシャリの酸味が混ざる。
牡蠣
厚岸産。かなりじっくりと漬け込み、ねっちりとした食感、ミルキーな口溶けを楽しませてくれる。
軽く使用された酢橘の量も上品で良い。
針魚
塩を降り、旨味を凝縮し、ぷりぷりした食感。
甘みが強く、良い仕事。
鰯
大阪湾。これも〆の仕事が効いており、甘みと余韻が素晴らしい。
鯖
しっとりした〆加減で、余韻として甘みが残る。
海胆軍艦
ひたすら甘く、ミョウバンの収斂味は非常に少ない。
穴子
子安産。柔らかくフカフカだが、柔らか過ぎない。
椀
鰹出汁を強く利かせ、椀種のツブ貝の苦味と旨味が心地良い。
玉子
しっとり、みっちりしており、味わい深い。
大和芋、芝海老に加えて鱧も使用しているとの事。
鱧入りの玉子は上品な味わいとなる。
栗の渋皮煮
黒糖と三温糖を用いた渋皮煮。
栗の粒子が滑らかかつ細やかで、サラッと最後に頂ける。
軽い先付に16貫+玉子、腕、水菓子を頂いて1万円強と言うのは、本当に頭が下がります。
最後に、今回お伺いし、僕のブログの影響で目に見えてお客さんが増えた、と感謝されてしまいましたが、実直な仕事をお客さんが求められただけの事だと感じました。
店名:鮨 いち伍(すし いちご)
シャリの特徴:赤酢の旨味を上品に用い酸味を利かせた、硬めのシャリ。
予算の目安:10,000円~13,000円→13,000円〜16,000円
最寄駅:千歳烏山駅から500m
TEL:03-3307-5591
住所:東京都世田谷区粕谷4-18-7
営業時間:18:00~21:30
定休日:月曜